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起業促進
事業内容
起業支援による持続可能なまちづくりー地域の担い手を育てる制度と支援のしくみ
従来型政策の限界と地域起業の可能性
急速な人口減少と都市一極集中により、地方では担い手不足や経済停滞といった深刻な課題に直面しており、従来の移住促進や雇用創出策では、地域への定着や自立的な経済活動を持続的に支援するには限界があります。
こうした状況の中で、「地域起業」「ローカルスタートアップ」が注目を集めています。その背景には、2022年に政府が策定した「スタートアップ育成5か年計画」において、地方におけるスタートアップ創出の強化が明確に位置づけられたことがあります。さらに、2025年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(2025年改訂版)」においても同計画の強化が明示され、とりわけ「地方におけるスタートアップ創出と人材・ネットワークの構築」が重要課題として掲げられています。
地方でのスタートアップ推進は、人口減少や産業衰退への対応に加え、地域の潜在力を活かして国の経済成長エンジンを多極化し、地域課題を起点とした新産業を創出するものです。さらに、人材循環と定着を促進する効果も期待されています。
しかし現実には、地方では起業に必要な知識・経験・資金・人的ネットワークが不足し、意欲があっても起業に踏み出すことが難しいという構造的課題が存在します。
このような現状を打破するためには、起業意欲を持つ人を「育てる仕組み」と「支える環境」の双方を地域に整備し、個人のビジョンと社会的意義を両立できる育成・支援モデルの構築が求められています。
よくある課題
- スタートアップ支援やベンチャーファイナンスの知見が少なく、スタートアップをどのように支援すればいいのかがわからない
- スタートアップの支援をしたいが、そもそも地域内で起業に対するリスク回避志向が根強く、挑戦者が出にくい
- 大学発ベンチャー、地域課題解決型、潜在層など多様で焦点がぼやける。支援対象の優先順位づけが難しい
地域での起業促進の意義とその課題
地方でスタートアップ推進を担うべく、全国各地で地域経済や社会課題の解決を目的とした多様な事業が進められています。代表的なものとして、大学の研究成果や技術シーズを活用し、地域経済を牽引する大学発スタートアップの促進があります。また、医療・交通・環境・福祉といった地域が抱える課題をビジネスの手法で解決する地域課題解決型スタートアップの育成も重視されています。さらに、若年層や主婦層、高齢者など、これまで起業主体として十分に活かされてこなかった潜在層の挑戦を支援し、多様な人材の起業を後押しする取り組みも重要です。
一方で、担当者は多くの課題に直面しています。
人材やネットワークの不足
起業家候補に必要な知識や経験が乏しく、投資家・メンター・専門人材が都市部に集中しているため、地方ではエコシステムの形成が難しいのが現状です。
資金調達の難しさ
地域金融機関は融資中心でリスクマネーの供給が限られ、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家も不足しているため、初期段階や成長段階での資金確保が大きな壁となります。
起業文化の未成熟
地域には「起業=リスクが高い」という価値観が根強く、失敗を許容する文化や再挑戦の仕組みが整っていないため、挑戦者が現れにくく、ロールモデルも不足しています。
担当者自身のリソース制約
人員や専門知識が限られる中で多岐にわたる施策を担う必要があり、成果が短期に見えにくいために組織内での理解や予算確保にも苦労します。
成果の可視化と持続性の問題
成果が起業件数に偏りがちで、社会への波及効果が測りにくく、単年度予算では継続的な伴走支援が難しいのが実情です。
このように、地方におけるスタートアップ推進は期待と課題の両面を抱えており、持続的な仕組みづくりと文化醸成が今後の鍵となっています。
地域の実情を踏まえた起業促進とエコシステム創出支援
社会性・地域性を活かしたローカルスタートアップの創出
スタートアップの挑戦環境という点では、資金調達やネットワーク、メンター人材の集積度などから、都市部が圧倒的に優位にあります。しかし、それでもなお「この地域で起業したい」と感じられるような産業エコシステムを構築することこそ、地方のスタートアップ支援における要諦です。
ミテモは、地域性・社会性を活かした産業の文脈づくりに注力し、起業家・住民・行政・金融機関が価値観を共有しながら共創できる場を形成しています。例えば長野県塩尻市の「スナバ」をフィールドとした取り組みでは、起業家と地域が双方向に学び合う仕組みを構築し、地域経済圏を支えるゼブラ企業や社会起業家に対して、資金提供にとどまらない「地域型インパクト投資」の実装を進めています。
さらに「地方×宇宙産業」「林業×スタートアップ」「食×スタートアップ」など、地域固有の強みを活かしたテーマ設定により、起業家の挑戦が社会的意義と結びつく場をデザイン。地域課題を解決する新産業の創出とともに、地域に根ざした持続的な経済活動を支える仕組みづくりを実現しています。
潜在的な起業層の掘り起こしと起業促進
若年層、女性、高齢者など、これまで起業主体として十分に活かされてこなかった層は、実は地域の潜在的な起業資源です。彼らは「起業」と距離がある存在である一方で、自らの内発的な動機や身近な課題解決を出発点として起業に踏み出す可能性を秘めています。
ミテモは、こうした潜在層に焦点を当て、起業を「自己実現や悩みの解消につながる選択肢」として位置づけるプログラムを提供しています。
具体的には、同じ志を持つ仲間と出会えるコミュニティの場、挑戦に伴う不安を和らげる学びの場、安心して試行錯誤できる環境整備と個別サポートを設計。チャレンジした人同士がお互いの弱みを補い合える仕組みを通じて、多様な層が無理なく一歩を踏み出せるように支援しています。
単なる「起業セミナー」にとどまらず、個人の人生や生活文脈に寄り添いながら、小さな挑戦を積み重ねる文化を育むことを重視しています。
地域おこし協力隊の起業促進
地域おこし協力隊は地域に根差した挑戦者の宝庫でありながら、任期終了後の定住・起業につながらないケースも少なくありません。その要因は、財務知識や人的ネットワークの不足にあります。
ミテモは、こうした課題に応えるため、協力隊員向けに体系的な起業支援を実施しています。具体的には、レベル差に対応できるよう基礎知識は動画教材で提供し、個々のペースで予習・復習できるように設計。さらに、起業の心構えや理論、先行事例の分析、資金調達法や法人設立の模擬体験を組み込み、実践感覚を持って学べる機会を用意しています。初級から上級まで段階的なカリキュラムを整えることで、幅広い対象層に対応。
特に不足しがちな財務知識と人的ネットワークは、共創の場を通じて補完し、協力隊員が任期後も地域で事業を継続できるように支援しています。結果として「地域に根ざした起業家」を増やし、持続的な地域活性化につなげています。
大学発スタートアップの支援
大学は知識・技術シーズの宝庫であり、地域発の新産業を牽引するポテンシャルを持っています。しかし、研究成果を社会実装に結びつけるプロセスは容易ではなく、大学と地域産業界、行政との間に橋渡し役が必要です。
ミテモは、大学発スタートアップ支援において、オープンイノベーションを核とした仕組みづくりを進めています。具体的には、研究者・学生が持つ技術やアイデアを、地域企業や行政の課題解決ニーズとマッチングするプログラムを設計。アイデア段階からプロトタイプ化、社会実装までを支援する伴走型の取り組みを提供しています。
さらに、学外の投資家や専門家を巻き込み、多様なステークホルダーと連携しながら、研究成果が事業化に至る過程を後押し。大学を拠点としたスタートアップが地域に根ざすことで、地域経済の多極化と新しい産業の芽吹きを促し、地方からイノベーションを創出する基盤づくりに取り組んでいます。
事例
事例➀:令和6年度 総務省主催地域おこし協力隊向け起業・事業化研修
概要:
地域おこし協力隊の任期終了後の定住・起業を支援するため、財務知識や人的ネットワークの課題を解消する研修を実施
支援の特徴:
- 隊員のレベル差を考慮し、動画教材による基礎知識の提供と個別の予習・復習を可能にする設計。
- 基礎研修では、起業の心構えや理論、協力隊の起業事例分析、資金調達法、法人設立の擬似体験を通じて不安を軽減。
- 分野別研修では、初級〜上級までの講座を用意し、幅広い対象層に対応
事例➁:地域型インパクト投資プログラム『DIVE』
概要:
地域型インパクト投資プログラム『DIVE』を通じて、地域課題の解決と事業成長の両立を目指す取り組み。ミテモはスナバの経営アドバイザーとして、プログラム企画・運営を間接的に補助。
支援の特徴:
- スナバの運営メンバーとの議論を行い、地域におけるインパクト投資の現状調査、シビックイノベーションの定義の整理を行うとともに、スナバの利用者(メンバー)の事業ステージに応じた支援スキーム、運営体制構築のサポートを実施した。
※地域型インパクト投資プログラム『DIVE』
地域型インパクト投資は、地域の社会起業家(ローカル・ゼブラ企業等)への資金提供と併せて、地域内外のネットワークや信頼関係などの社会的関係資本を活用し、地域課題の解決と事業成長を両立させる投資・支援の仕組。起業家、市民、投資家、金融機関などの多様な主体が連携し、持続可能な地域社会の実現を目指す
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