デザイン経営

事業内容

地域企業の企業価値向上を支えるデザイン経営─地域経済を活性化する新しいアプローチ

<目次>

なぜ今、地域の中小企業支援において「デザイン経営」が必要なのか? 

地域経済を支える中小企業は今、グローバル化や産業構造の変化、人手不足、事業承継問題、インフレといったさまざまな課題に直面し、 企業の存続自体が脅かされています。こうした複雑かつ構造的な課題に対しては、単発の販売支援や資金補助だけでは限界があります。中小企業が直面しているのは、産業構造の変化に適応できる事業変革と、旧態然とした組織構造・文化の変革を同時に押し進めなければならないという「やっかいな問題」です。この「やっかいな問題」を解決する鍵となるのが「自社らしさ」を軸にした“デザイン経営”です。 

デザイン経営とは、単なる商品開発やブランディングの手法にとどまりません。私たちミテモ株式会社は、デザイン経営を、「自社らしさ」を問い直し、顧客からも従業員からも求職者からも地域からも選ばれ、求められる企業へと生まれ変わることで持続力を高める経営手法として、200社を超える中小企業を支援してきました。 

私たちがデザイン経営に注力するのは、補助金や単発支援では培えない「企業価値向上・持続力向上に向けた自走力」を、地域全体で育むためです。自治体がその歩みを支えることで、地域の持続可能な発展を後押しできると私たちは考えています。  


よくある課題

  • 本気で会社を変えたいと考えている中小企業を発掘し、効果的に支援したい。 
  • 意欲的に会社を変えたいと考えているが、社内で孤立している事業承継者(あるいは予定者)を、従来にはない支援のあり方を模索したい。 
  • 補助金や専門家派遣などの単発的な支援ではなく、中小企業が自走できる支援を通して、地域内に魅力的な企業を増やしたい。

地域企業を取り巻く構造的課題と、自治体が支援に踏み出すべき理由

地方の中小企業は、現在以下のような厳しい経営環境の変化に直面しています。

産業構造の急激な変化と地方企業の競争力低下

グローバル競争や情報社会の進展により、地方の中小企業も低価格な海外製品やサービスとの競争や、デジタル化対応の遅れといった課題に直面しています。特にインフラ整備の遅れや人材不足といった地域特有のハンディキャップは深刻で、変化する顧客ニーズへの対応が難しくなり、市場競争力の低下が進んでいます。   

慢性的な人手不足と事業承継問題

若年層の都市部への流出が深刻化し地域の産業を支える労働力が大幅に減少しています。その結果、事業継続や後継者確保が困難となり、担い手不足が深刻化しています。  
加えて、経営者の高齢化に伴い、親族内承継が困難となるケースが増え、外部への承継も進みにくい状況です。技術やノウハウの継承が途絶えるリスクが高まり、廃業による地域経済の衰退や雇用喪失が加速するリスクが高まっています。

 コストの増加に伴う経営圧迫

インフレやエネルギー価格高騰により、地方の中小企業では経営コストが増大しています。しかし、価格転嫁が難しい業種が多く、収益性が圧迫されています。特に物流費の負担は都市部以上に深刻で、経営継続への影響が懸念されています。 こうした課題は単に中小企業の経営課題にとどまらず、地域全体の経済基盤を揺るがす深刻な構造的問題です。だからこそ、自治体が主体的に関与し、地域の企業を中長期的に支援していく意義が問われています。  

デザイン経営とは、「自社らしさ」や知的資本を再発見し、不確実性の高い環境に柔軟に対応しながら、顧客理解の深化や商品設計の改善を継続的に行う経営アプローチです。このような取り組みにより、企業は事業と組織のあり方を根本から見直し、地域経済を支える存在へと成長していくことが可能になります。ただ、こうした変革を中小企業単独で成し遂げるのは困難であり、従来型の部分最適な支援では限界があります。

だからこそ、自治体が地域全体を俯瞰しながら、デザイン経営の導入と定着を中長期的に支援していくことが求められています。 


企業が自ら価値を磨き続けるための仕組みを設計

支援期間終了後も、自社らしさを軸に価値を磨き続ける企業を育てる

ミテモでは、各企業の実情に寄り添いながら、自治体と協働して継続的なデザイン経営の推進を支援しています。これにより、企業価値と持続力向上を図ります。 
下図はある企業がデザイン経営の支援プログラムに参加し、終了後もデザイン経営を推進し続けた軌跡を図解化したものです。 

この事例は、「人格形成」「価値創造」「文化醸成」という3つのデザイン領域が相互に作用し、段階的に中小企業の事業変革と組織変革を後押しすることで、企業価値と持続力の向上へとつながることを示しています。デザイン経営の支援事業を設計する際には、支援期間終了後も継続的に取り組みが続くよう、自走状態をどのように構築するかが重要なポイントとなります。 

自走を促すデザイン経営の支援

ミテモは、デザイン経営の好循環モデルを理解、実践知を習得、共感を軸としたネットワークの構築を支援し、地域の中小企業が自らの力でデザイン経営を継続できる「自走状態」の実現を目指します。 

デザイン経営の自走状態を生み出すために、ミテモのデザイン経営支援プログラムでは、以下の4点に注力します。 


①自社らしさの確立
事業者自身の内面から湧き出る自社らしさ(ビジョン、ミッション、アイデンティティ)の徹底的な深掘りと確立

②コアチームの確立
自社らしさを軸に、事業や組織を変革するためのコアチーム(経営者、従業員、外部の伴走人材)の形成

③成功体験の共有
デザイン経営を推進する具体的なデザインアクションの実践を通したデザイン態度の定着と手応えの共有

④事業変革・組織変革への覚悟と中長期的な方針の確立
ビジョンを経営に落とし込む経営目標策定と中長期的なロードマップの策定

※参考:計画的行動理論(Theory of Planned Behavior: TPB)と支援プログラムの設計 

アントレプレナーシップ研究において著名なAizenらによる計画的行動理論(Theory of Planned Behavior: TPB)では、起業や革新的な行動の意図は、次の3要素が揃うと最も高まるとされる。①その行動本人が前向な態度を持っていること(態度)、②本人の周囲の人々がその行動や挑戦を支持し、肯定的であること(主観的規範)、➂本人自身がその行動や挑戦を実現可能だと十分に感じられること(行動統制感)である。
デザイン経営を推進しつつ事業再編や組織再編に取り組む経営者も、起業家と同様の課題に直面しており、以下の要素が不可欠である。具体的には、①自らの意思ビジョン・方針を固めること(態度)、②組織内で支持を得られるコアチームを形成すること(主観的規範)、➂成功体験を積み重ね、自己効力感を高めること(行動統制感)が重要で、いずれかが欠ければデザイン経営を推進する意図は大きく阻害される。 


事例

実際にデザイン経営に取り組んだ各自治体や支援機関の事例からは、企業変革のプロセスと、 
自治体がどのように伴走したかの実際が見えてきます。以下に代表的な取り組みをご紹介します。 

事例①:VALUE-WAKAYAMA Design Management(デザイン経営価値共創支援業務)

概要: 
和歌山県内のものづくり企業を対象に、令和4年度よりデザイン経営導入を支援。累計19社が参加。

支援の特徴: 

  • 経営者を中心に、地域に根ざした企業を対象
  • デザイナー、副業・兼業人材(MBA人材など)、社内の中核人材を巻き込んだコアチームを形成 
  • 自社らしさの明確化と、事業・組織変革に向けたワークショップと伴走支援を実施

事例②:FUXION / FUXION EVOLVE(中小企業ブランド等構築支援事業)

概要:
名古屋市内の中小企業を対象に、デザイン経営の推進とそれに基づく新商品・サービスの開発、販路拡大などのイノベーション活動を支援する事業を実施。

支援の特徴: 

  • 地域の若者が魅力的な企業を求めて東京圏に流出する現状を抑制するため、企業競争力の向上と若手人材の確保を目的に支援を展開。
  • デザイン経営を軸に、先進的な中小企業の育成を図り、4年間で40社以上を支援。 
  • 事業参加企業の95%以上が、事業終了後も継続的に企業価値向上活動に取り組んでいる。 

事例➂ :中小企業向けデザイン経営導入支援ワークショップ普及モデル構築プロジェクト(令和5年度 福島協創事業等に対応した知的財産の創出活動に関する調査事業) 

顧客名:
特許庁

概要:
令和5年度の福島協創事業等に対応し、特許庁が公開した「デザイン経営コンパス」を活用して、デザイン経営導入の普及モデルを開発。 

支援の特徴: 

  • 自治体、知財支援機関、大学、地銀、デザイン会社の5種の支援機関が連携
  • 地域特性と各機関の強みを活かしたモデルを構築・実装
  • 知的財産創出とデザイン経営の両立を支援する枠組みを整備 

事例④:中小企業のデザイン経営推進のためのワークショップ等調査研究事業

顧客名:
特許庁

概要:
中小企業の知的財産創造活動を促進するため、デザイン経営に基づいたワークショップの開発と検証を実施。

支援の特徴: 

  • デザインマネジメントの視点から中小企業の成熟度を4段階に分類
  • 各フェーズに応じた最適な支援手法を検証・確立 
  • 経営の中に知財・デザインを取り込む支援モデルを構築 

事例⑤ :ふるさとデザインアカデミー(ローカルデザイナー育成事業)

顧客名:
経済産業省・中小企業庁

概要:
全国20地域において、中小企業や地域を支援する「ローカルデザイナー」の育成を目的とした研修・OJTを実施。延べ600名以上が参加。 

支援の特徴: 

  • 基礎研修とワークショップによる体系的な育成プログラムを展開
  • 61件の実践的な伴走支援・OJTを通じて即戦力を育成
  • 修了後も多くのローカルデザイナーが地域で専門家として活躍中 

新着イベント

記事が見つかりませんでした。

テーマを探す・知る 全てのサービスを見る

  • 中小企業支援
  • イノベーション
  • 観光開発

この記事を書いた人

人材育成支援・地域共創支援を事業とするミテモにおいて、マーケティング戦略立案・Web運営・広報施策を横断して担うチーム。
事業を通じて培った専門知識と自社での実践・検証をもとに、人・組織の課題解決に役立つ情報を発信しています。

<目次>