名古屋市伝統産業経営課題解決支援事業 事業者インタビュー 加藤錺金具
名古屋市伝統産業経営課題解決支援事業 事業者インタビュー 加藤錺金具

名古屋市 伝統産業経営課題解決支援事業 伴走支援プログラムに参加いただいた事業者の皆さまにインタビューをしました。
事業者紹介
加藤錺金具
家業の仏壇金具の製作は曾祖父が120年ほど前に始めた。主に仏壇の金具部分の錺金具(かざりかなぐ)の製作を行っている。銅板や真鍮板のパーツに彫金や透かし彫などの技法を用いて装飾を施し、その後、煮色着色で錆び色に色揚げ、燻しての仕上げまでを一貫して行えるのが特長。豊富な切り鏨(たがね)と技術で細い透かし金具の製作を得意としており、その技術で古いお仏壇などの色直しなども手がけている。
――今回、事業に応募した理由を教えてください。
加藤圭さん(以下、加藤さん):父の代までは営業をしなくても仕事が入ってきていました。しかし、業界全体で仕事が減少し、このままでは仕事がなくなってしまうという危機感を抱くようになりました。
そんな折、組合の理事会に名古屋市の職員の方が訪れ、この事業について知る機会がありました。新しい商品開発の糸口が見つかるかもしれないと思い、応募を決めました。
実際に事業の説明会に参加した際、同じような悩みを抱える事業者がどのように課題を解決したのか具体的な事例を知ることができました。それが、応募を決める大きなきっかけになりました。
――今回の事業で取り組んだ内容について教えてください。
加藤さん:私がこれまで取り組んできた技術は、銅板や真鍮板のパーツに彫金や透かし彫りなどの技法を用いて装飾を施し、その後、金属の化学反応を利用して着色し、燻し仕上げまでを一貫して行うものです。
本事業が始まってから、新しい商品を開発する中で、アドバイザーから『壁に美しい模様(ウォールアート)を施せないか』といった幅広い可能性についてアドバイスをいただきました。
様々な方向性をアドバイザーと模索する中で、今回の事業では真鍮や銅板を使ったコースターや小物置きを製作し、ECサイトで販売することに取り組みました。

正直なところ、ずっとうまくいくのかという不安はありました(笑)。でも、自分の気持ちはさておき、アドバイザーの神谷さんの意見を取り入れ、一旦やってみようという気持ちで進めることにしました。
―――今回の事業の成果を教えてください。
加藤さん:ECサイトをオープンしたところ、1週間ほどで新規のお客様から注文が入りました。さらに、来年、名古屋のホテルのギャラリーで展示する話が進んでおり、展示の一部として、金具の製作過程を紹介する2~3分の動画を制作しようと考えています。
これまでは何もしなくても仕事が入ってきたため、営業をする必要がありませんでした。また、基本的に家で製作を行い、組合や取引先といった限られた関係の中で仕事をしてきました。
そのため、SNS等で外部に自分をアピールすることには強い抵抗がありました。しかし、今回の事業を通じて、自ら積極的に外へ出て、多様な人間関係を築くことの大切さに気づくことができました。
今でもSNSや外部へのアピールに戸惑いはありますが、まずは自分の商品を美しく見せるために、写真の撮り方を工夫することから始めています。
今回の事業では、さまざまな方との出会いを通じて新たな一歩を踏み出せただけでなく、自分自身の考え方にも変化が生まれました。本事業でのご縁に、心から感謝しています。

―――今後の展望についてお聞かせください。
加藤さん:今後の目標は、子どもに限らず、誰かにこの技術を継承していくことです。まずは、本事業を通じて築いた取り組みを継続し、自分の技術で生み出した作品を世の中に広めていきたいと考えています。
そして、売上を伸ばし、将来的には従業員を雇うことで、技術を次の世代へと継承していきたいです。
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