ワークショップの目的について - プロダクトをDX化し、顧客体験価値の最大化するビジネスモデルを構築する
商品・サービスのコモディティ化が課題視されるなか、それらを利用する顧客の側では、商品の所有・機能に価値を見出す「モノ消費」から、商品やサービスを利用したことで得られる体験に価値を置く「コト消費」に価値観の比重が移っています。このようなCX(顧客の体験価値)に立脚し、顧客にとって価値のある、競争力の高いビジネスを創出する方法論が「サービスデザイン」です。 サービスデザインとは、具体的には、顧客が抱える潜在的な課題を解決し、プロダクトとサービスを融合した顧客体験価値に革新を生み出すとともに、それを継続的に提供できる組織や仕組み作りも行うことで事業価値の最大化・最適化を図るデザイン(課題解決)アプローチです。顧客に商品・サービスをどう認知してもらうか、良い顧客体験をどのように提供するか、購入・利用後のメンテンナンス、サポートをどうするかなど、一連のサービスを革新的な新事業として継続的に運用させるための構想がサービスデザインです。サービスデザインの対象は、顧客の体験(フロントステージ)だけではなく、サービスを提供する側のオペレーションや仕組み(バックステージ)もすべてデザインの対象となります。 また、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が多い中、既存業務のデジタル化=デジタライゼーションを進めるだけでなく、DXの本来の目的にあるように、DXによって「製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」ためには、サービスデザインの考え方と方法論が欠かせません。 As a Service化に代表されるように、データ活用/デジタル技術とハードウェアを連動させ、モノではなくサービスを提供することで(商品のDX化)、顧客に対する学習を常時行える環境を構築。学習結果をもとに、ハードウェアの機能そのもののアップデートや顧客の潜在課題を解決する新サービス提供につなげ、顧客体験価値を高め続けることを目指します。このようなサービスを提供することは他社に対するアドバンテージとなり、結果的にLTV(生涯顧客価値)、ひいては利益の向上に繋げることが可能となります。
ワークショップの特徴について
サービスデザインの概念を理解するだけでなく、考え方を取り入れ、自社の事業・プロダクトをDX化するためのデザイン態度やスキルを身につけるためには、実践・プロジェクトなど経験を通して学ぶ必要があります。このため、スキル習得を目的としたワークショップとデザインファシリテーター、デザイナーが伴走するプロジェクト活動を組み合わせたプログラムを実施します。
本ワークショップの主な対象者
- ・営業担当者(ソリューション営業)、経営企画部門、マーケティング部門、システムエンジニアなど
- ・顧客の新規事業、新商品
- ・サービス開発、顧客の業務改善、プロセス変革などのソリューション提供を行う方
- ・中央官庁、地方自治体の企画部門の担当者、地域のデザイン人材、その他地域
- ・ローカルビジネス振興に関わる方
よくある課題・お悩み
- ・コスト削減、生産性向上だけでなく、DXに取り組むことで売上を拡大したい
- ・従来の製造業としてのビジネスモデル及び思考の枠組みから脱することが出来ずにおり、従来の施策を見直す必要性を感じている
- ・実際にサービスデザインの手法を使って、ビジネスモデルを構築するプロセスを習得したい
本ワークショップで習得する領域
要素 | 習得領域 |
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サービスデザインの概念/全体像の理解 | サービスデザインとは、重要性、全体像、ダブルダイヤモンド、事例 |
デザイン態度の習得 | Learning by doing、人間中心志向、現地・現場・現物、試作と検証によるリアリティ重視、ホリスティックな視点、デザインチームと協働 |
デザインベースド イノベーションプロセスの習得 | リサーチとペルソナ設計、カスタマージャーニーマップ、顧客理解・共感とインサイト分析、アイディエーション、プロトタイピング(コンセプト作成、試作)、ユーザーテストと検証 |
ビジネスモデル構築プロセスの習得 | ビジネスモデルキャンバス、ステークホルダーマッピング、デザイン組織と組織文化 |
本ワークショップのカリキュラム
日程 | 実施内容 |
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DAY1 |
1.サービスデザインとは
2.サービスデザインの基本モデル
3.デザインベースドイノベーションのプロセス
1日目のまとめ |
DAY2 |
1.ビジネスモデルとは
2.ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは
3.ステークホルダーマッピングとは
4.自分が所属する事業に対する、デジタル技術を活用した新規提案を検討する 2日間の振り返り |
*1日6〜7時間を想定(1日の実施時間を3〜4時間とすることも可能です)
よくあるご質問
Q.サービスデザインは、どのような場面で活用できますか?
A.顧客志向の発想が必要なあらゆる場面で活用できます。商品・サービス・事業の企画・開発、プロジェクトの提案、UI(操作性)/UX(顧客の利用体験)改善、マーケティング、 企業だけでなく自治体のCS(顧客満足度)向上、などに活用できます。個人の思考法の転換や業務の幅を広げる上でも大変役に立ちます。モノを通してどんなことが達成できるのか、どんな成果が得られるのかを考えるマインドセットは、一朝一夕で身につくものではありません。今までの思考スタイルを変えていく必要があるため、サービスを創出する新しい仕組みづくりや、組織・風土の変革の一環として、中・長期的な視野で取り組むことをお勧めします。
Q.デザイン思考とサービスデザインの違いは何ですか?
A.デザイン思考は、顧客=ユーザーに対する理解、共感を深め、本人も気づいていないような問題を定義することで、これまでにないビジネスアイデアやサービス改善案を創出ためのプロセス・思考法です。サービスデザインは、そのアイデアからさらにビジネスモデルを構築する価値創造のアプローチです。つまり、顧客にどのような志向があるかを考え、どのような価値を求めているかを理解した上で顧客体験とその提供全体をデザインするものです。
Q.デザインとは関係のない職種ですが理解できますか?
A.ビジネスに活用できる考え方を学ぶ研修です。業種・職種を問わず、ご受講いただけます。特に次のような業務に携わっている方におすすめです。
・商品/サービスの開発や設計
・研究開発
・マーケティングや広告、販促の企画立案
・Webサイトやチラシ、パンフレットなどのディレクション
・Webサイトや購買システムなどのエンジニアリング
・アプリケーションやITサービスの設計
・新規事業や経営計画
デザイン思考を導入する目的別 ワークショップラインナップ
1.デザイン思考のエッセンスを学ぶ
デザイン思考とは何か?その中核となる人間中心設計や観察、仮説検証のプロセスなどのエッセンスを体験することで学習できるワークショップのカリキュラムです。
2.デザイン思考をベースに、新商品・新サービスを考えられる力を身につける
自社のパーパスを踏まえて創出したい市場を見定めた上で、デザイン思考をもとに新市場創出、新商品・新サービス創出に挑戦するワークショップです。デザイン思考の学習から、実事業の創造・イノベーション創出を推進できる人材を育成するためのカリキュラムです。
3.デザイン思考で新商品・新サービスを創出し、顧客にその価値を届ける一連のプロセスを推進できる力を身につける
数々のデザインプロデュース支援実績で培ったデザイン経営実践プロセスをワークショップ形式で学ぶカリキュラムです。
4.顧客体験価値を生み出すだけでなく、デジタル技術を活かしながら、競争力の高い新規事業を立ち上げる力を身につける
サービスデザインの概念を理解するだけでなく、考え方を取り入れ、自社の事業・プロダクトをDX化するためのデザイン態度やスキルを身につけるためには、実践・プロジェクトなど経験を通して学ぶ実践的なワークショップカリキュラムです。
5.デザインを組織的に取り入れ、イノベーションを生み出すことができる組織を作る
ワークショップで学びを深めるだけでなく、事業開発支援経験豊富なディレクター、デザインファシリテーター、デザイナーが伴走支援をしながら、新規事業開発プロジェクトや新規事業が連続的に生まれる組織づくりをご支援するデザインコンサルティングサービスです。