過渡期にあるキャリアデザイン研修をミテモが考える - ミテモ株式会社

過渡期にあるキャリアデザイン研修をミテモが考える

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

年代を問わず、すべての人が元気に活躍し続け、安心して暮らすことが課題となる「人生100年時代」。厚生労働省の「人生100年時代構想会議 中間報告」では、社会人の学び直しに至るまで、生涯に渡る学習の重要性について論じられています。

そのような時代の流れの中でキャリア研修は過渡期に立たされています。これまでの階層別研修や年次別研修に組み込まれた「一つの組織の中でキャリアアップしていくための研修」から、組織内にとどまらない「一人一人のライフキャリアをデザインする研修」への変化が求められています。ライフキャリアとは家庭生活や地域社会との関わりを含めた、その人が生涯にわたって果たす役割や経験の、積み重ねのことを指します。

キャリア研修の目的は
過去をキーワードに今後を考えること

平成14年に厚生労働省が発表した「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書では、キャリアとは「関連した職務の連鎖」と書かれています。また、キャリアの語源についてはいくつかの説がありますが、車輪のついた乗り物向けの「車道」を起源とし、次第に人がたどる行路や経歴などを意味するようになったといわれています。

キャリア研修もその語源のとおり、その人がたどってきた行路を重要視します。つまり、「これまでやってきた仕事を振り返ること」が重要になります。手順としては、まず「過去」をキーワードとして、やってきた仕事の棚卸をします。それを材料に現状を確認し、今後について考えていくことがキャリア研修の到達点です。

3年、5年、10年と時間が経てば、当然世の中も自分自身も変わります。年齢、興味関心、経験に加え、事業内容が変わっていくこともあるかもしれません。それらの変化に合わせて今後の道を改めて考える機会を提供することは、キャリア形成のために必要なことです。そのため、キャリア研修は1回開催して終わりにするのではなく、新人・若手のころから定期的に開催することが重要です。

納得感を高める、キャリア研修のプログラムとツール

キャリア研修において経歴をたどり過去の棚卸をする際には「良かった」「辛かった」などのシンプルな評価だけでなく、過去から振り返って、自分の強みを含むポジティブな特性をはじめ、弱点、好き嫌いや経験をどう捉えているのかなどを把握し、言語化していくことが求められます。

その際に、LEGO®社によって開発された対話の手法である「レゴ®シリアスプレイ®」や、写真を通して内省・言語化を支援する「Points of You®」などの手法を用いることは非常に有効です。また、MITの組織心理学者、エドガー・H・シャイン博士が提唱するキャリア理論(また、その自己分析ツール)である「キャリア・アンカー」などの、確立された理論を用いることも研修参加者の納得感を高めます。

レゴ®シリアスプレイ®の様子

Points of You®のカード

このような手法やツールを用いて、過去の棚卸をした上で現状を見定め、他の参加者や講師との対話の中で、「未来をしっかりと考えていくこと」をミテモのキャリア研修では重要視しています。

キャリア研修と若手の離職防止

企業内でキャリア研修を行う場合、同じ年代の人を集めて実施することが多くなります。その研修の中でプログラムに取り組むだけではなく、同じ年代の人たちと“何をどう考えているのか”などを話し合うことはキャリアを考える上で非常に大切です。特に若手のうちは、自分の担当部署しか知らないことがあります。お互いの状況を知ることで、自分の置かれている場所を客観的に理解することができます。

また、社内の異なる年代の人と話すことも有効です。自分の担当部署にずっといると、どうしても視点や視野は埋没しやすく、早期離職につながりやすいといわれています。今の担当部署での役割が会社全体の在り方ように見えてしまい、「この会社に居つづけても思い描くキャリアにつながっていかない」と思い込んでしまうことが原因です。そうならないためにも、会社の中のいろいろなキャリアを知り、キャリアの選択肢を増やすために、社内の異なる年代の人と話すことが有効とされます。

また、社内にいろいろなキャリアがあることを知ったとしても、「社内でどのように自分のキャリアをつなげていけるのか」がわからないままだと早期離職にいたりやすいため、「異動希望を誰に伝えれば良いのか」、制度があるとすれば「その制度はいつ使えるのか」「どうすれば使えるのか」などをアナウンスし続けていくことも重要です。

ライフキャリアとワーク・ライフ・バランス

現代のキャリア研修は、ライフキャリアの視点を含めたものに変化しています。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、「仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらす」とされ、「仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪」とも書かれています。また、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業のメリットは、離職率の低下のみならず、創造性・視点の多様化、満足度や仕事への意欲の向上、競争力の向上など、生産性向上に関するものが多く挙げられています。

近年は、「ワーク」と「ライフ」の両方を充実させて、相乗効果を起こそうという「ワーク・ライフ・シナジー」の実現を掲げる企業も増えてきました。キャリアを考える際には、「会社員としてどうしていきたいか」「仕事をどうしたいか」だけではなく、「人生で成したいことは何か」を考える時代に変容しています。また、そうして人生の充実を試みることは、会社員としての仕事も充実させていきます。

ライフキャリアを含めたキャリア研修では、「生きていく上で、自分なりに仕事と私生活をどうしていきたいか」を考え、よい人生を送りながらよいパフォーマンスを出すにはどうしたら良いのかを考えます。研修の中で今後の目標を考える際には、仕事における目標だけではなく、私生活における目標も考えてもらいます。

「ワーク」と「ライフ」のバランスといっても、常にそれは5対5というわけではありません。その人の人生における時期や業務内容、立場などによってバランスは変わり、一見アンバランスにみえる9対1でもバランスが取れていることはあります。仕事に集中したい時期には仕事が10であったり、「子どもが生まれたので一刻も早く帰宅したい」と2対8になったりもします。「ワーク」と「ライフ」の両方に目を配った上で、意識的に自身のリソースのバランスを取っていくことが大切です。

キャリア研修を社員が会社を好きになるきっかけに

「キャリア研修を行うと離職率が高まるのではないか」という声をよく聞きます。しかし、ミテモではキャリア研修を行うと離職率は低くなると考えます。キャリア研修を通して、さまざまな仕事や部署、社内におけるキャリアのあり方を知ることで、視野の広がりが期待できることが理由のひとつです。

加えて、キャリア研修は、実施するたびに会社のビジョンを社員に共有することができます。そのため、キャリア研修を定期的に行うとおのずと社員は会社のことを考えるようになりますし、会社を好きになる機会を得ることができます。キャリア研修は社員も会社もお互いに得るものが大きい研修です。

キャリアという言葉は、ライフキャリアを含めさまざまな意味を内包する言葉です。キャリアやキャリア研修の持つ意味や意義はとても「広い」ものになります。

そのため、社内だけで行うことは難しいこともあると思われます。しかし、社内制度の見直しや、中長期的な視点で研修を実施し続けることは研修ベンダーだけでは難しいものです。会社とベンダーが力を合わせることが望まれます。経営層の想いを汲み人材開発部や人事部が作った会社からのメッセージを、社員が受け取りやすいようにベンダーが支援するなど、会社とベンダーがうまくかみ合うことで、さらに効果的で魅力的なキャリア研修が実施できるのではないかと考えています。

ミテモのキャリアデザインに関する研修ラインナップはこちら