今企業に求められる「人的資本による企業価値向上」 | ミテモ株式会社

今企業に求められる「人的資本による企業価値向上」

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見落とされがちな「企業価値」

経営者にとって企業価値を向上させることは常に重要な課題でありながら、昨今この「企業価値」という言葉の多義性に困惑する経営者も中にはいるのではないでしょうか。なぜなら企業価値向上の意味する中には、収益化の拡大だけではなく、投資対効果の向上や、財務状況を改善することも含まれます。そして最も見落とされがちであり、かつ後回しにされがちであるのが「人的資本の向上」です。

「人的資本」とは、企業を構成する人材やその人材がもつ能力に対して、投資することで価値を生み出すことができる「資本」と捉えた概念のことです。これまで人的資本への投資が見落とされがちになってきた理由の一つとして、短期的には利益を押し下げ、集積性を低下されるものとして認識されていることにありました。人的資本への投資は、財務課計上その大部分が費用として処理されてしまい、収益性を損なうように見えてしまいます。収益の拡大・投資対効果の向上という視点では逼迫度の低い取り組みだと思われるでしょう。

今、「人的資本」が注目される理由

しかし近年では持続的な企業価値向上の推進力が無形資産にあるとの認識も広がり、欧米市場においては企業価値評価において、人的資本に対する評価が大部分を占めるようになってきています。つまり、企業の将来性を収益・決算数字など財務上の数字を見るだけでは不十分であり、企業の人材や文化、知的資本の質と量やビジネスモデルなどにも着目して将来性を分析するという動きがどんどん大きくなってきていると言えるでしょう。

さらに、2023年3月期決算以降の上場企業の有価証券報告書には企業の人的資本についての情報開示が義務化されました。情報開示義務のある人的資本の項目は7分野19項目に分かれ「人材育成」「流動性」「ダイバーシティ」「健康・安全」「労働慣行」「コンプライアンス」そして「エンゲージメント」です。また投資家よる環境問題・社会問題・企業問題に配慮している企業を選ぶEGS投資にも関心が高まっている流れもあり、これらの情報開示義務を受け身でやることは企業を正しく認識してもらえなくなるだけでなく、企業価値低下につながりかねないのです。

人的資本向上につながる「エンゲージメント」

人的資本経営が求められる中で、特に注目されているのが従業員のエンゲージメントに関する取り組みです。改めて「エンゲージメント」の意味を定義すると、「従業員の会社に対する愛情度を示す指標」と言われています。従業員の愛情度によって、モチベーションや生産性に変化が生まれ、さらには優秀な人材の離職リスクが変化します。このエンゲージメント指標の揺らぎは、企業にも大きな影響をもたらすことがわかります。そのためエンゲージメントの向上施策は、従業員を資本と捉え積極的に投資する人的資本経営に寄与できるとして注目されていきているのです。

しかし、エンゲージメントは報酬や福利厚生による従業員満足度向上とは違い、働きやすい環境・キャリア支援制度・企業理念の理解と共感など、さまざまな側面を通じて従業員との信頼関係を構築しなければ向上しないものです。また、エンゲージメントを継続的に計測し、可視化しなければこれらの取り組みが有効的なものなのかを判断することができません。これらの取り組みが簡単に、そして短期的には行えないことを念頭に置きつつ、具体的な方法について過去ミテモが実施してきた取り組みをご紹介します。

「エンゲージメント向上」まず何から始めるべき?

企業においてエンゲージメントを向上させる手法は様々です。そして、エンゲージメント向上を課題に考える経営者だけでなく、人事担当やブランディング担当の方にとっても、自分の部署の課題解決につながるものかもしれません。

「企業の理念・パーパス」からエンゲージメントを向上する

多くの企業でSDGsやESGを念頭に置いた事業活動を展開していますが、これらとも密接に関わるのがパーパスです。様々な社会課題の解決に向け企業ができることをパーパスとして表明し、多くの人の共感を呼び込むことは、顧客との接点を生み出したり、事業拡大につながるイノベーション(新事業・新商品・新サービス)の機会を創出したり、事業そのものを大きくデザインしていきます。

また、事業デザインにつながるだけでなく、従業員の気持ちを鼓舞したり、共感を得て企業への愛着を育んだりなど、エンゲージメント向上にもつながります。企業文化を深く理解することで従業員の能動的な活動を促し、組織をデザインすることにも大きく寄与します。このようにパーパスを企業が持つことで、事業活性だけでなく従業員のエンゲージメントを高めていくことが可能なのです。

具体的な支援①:パーパス・理念の浸透と組織文化構築支援

最初に、中小企業の経営者や外部人材を対象に、事業広報も兼ねたセミナーやシンポジウムを開催します。そこには全国各地の先駆者をロールモデルとして招き入れ、産業変革の可能性と地域として目指したいビジョンを全員で共有し、意欲的な経営者と外部人材に事業参加を呼びかけます。

ここで重要なことは、期待感の醸成と高い視座の確立です。魅力的な登壇者を集めると期待感は高まりますが、受け身の姿勢になりがちです。これでは、事業が終了した途端に元に戻ってしまいます。事業への期待感をしっかりと高めるだけでなく、本気で現状を変えたい事業者と進める事業であることを随所で強調します

具体的な支援②:パーパスを起点としたデザインイノベーション支援

さらに、パーパスを起点としたデザインイノベーション支援を行うことが可能です。これは、パーパスに基づいた機会探索、価値創出をするワークショップや様々なプロジェクトを行います。過去には、戦略デザイン・リテラシーを向上するための研究会では戦略デザインの思考プロセスを学ぶ講義(第1〜3回)を行い、学んだことを元に参加者が新商品を考えプレゼンテーションを行う実践ワークショップ(第4回)を実施しました。

また、デザイン思考をベースとしたビジネス開発支援では、実践を通じて新規ビジネス開発を行います。数日間の講習やワークショップで事業開発プロセスや事業開発メソドロジについて新規事業開発経験豊富な講師陣・メンター陣から学びます。最終的には、自社の新規事業案としてPoCを進めていただきました。さらに、顧客の体験価値、顧客のビジネス上の課題解決に重点を置き、より付加価値の高い・営業・カスタマーサポートのあり方を探るためのナレッジ紹介、支援をおこなっています。

具体的体的な支援③:パーパスに基づくブランディング支援

パーパスの策定から、さらに「ブランドを生み出すこと」に取り組みを広げることもできます。「ブランドコンセプト」をパーパスを軸にしながら明確化・言語化する支援を行い、また、ブランドコンセプトに基づいて作られた事業・商品・サービス・活動を認知するための広報・プロモーションや体験のデザインの支援も実施しています。

これら理念・パーパスを明確化させることで、さまざまな事業活動・ブランディングに繋げることができだけでなく、組織内に浸透させることでエンゲージメント向上に繋げていくことが可能です。

「インナーブランディング」からエンゲージメントを向上する

それでは、理念・パーパスを組織内に浸透させるためにはどうしたら良いのでしょうか?パーパスを浸透させるために「インナーブランディング」の観点から行った取り組みについてご紹介します。

ここで述べるインナーブランディングのゴールとは「日常的にパーパスを意識することが当たり前の組織文化を作ること」です。このゴールは短期的な活動では達成することは難しいです。従業員が日常からから自社を意識するきっかけをつくり、ブランド価値を体現するような行動が自然に現れるようになることを長期的な視点で行う必要があります。

ミテモの支援では、大きく2つのタイプの取り組みを行っています。1つ目は、経営トップがパーパスを策定した背景や言葉に込めた思い・課題を従業員に示し、理解・納得を促す「トップダウン型施策」。2つ目はパーパスに基づいて社員一人一人の行動変容を促し、パーパスで示される価値観を実感することで次の挑戦につなげる「ボトムアップ/内部サイクル型施策」です。これら2つの取り組み、あるいは企業にとって不足している取り組みを実施することで、理念・パーパスの浸透を促します。

具体的な実施スキームでは、まず組織的な推進体制の構築から始まります。特に従業員のエンゲージメント向上の取り組みで起こりがちなことの1つに、これらの取り組みが「プロジェクトチームによるアクションのみ」になってしまう場合があります。これではインナーブランディングは成功しません。経営者・マネジメント層も、現場の従業員に理念・パーパスをインストールする欠かせない役割を担っていることを強く意識する必要があります。

推進体制が明らかになった後、現場の声に耳を傾け現状分析とインナーブランディングのロードマップの策定を行います。中長期的なロードマップを踏まえながら、社員がパーパスを理解し、自分ごと化し、行動変容と共感が生まれるコミュニケーション施策を行います。ミテモのデザインファシリテーターやUXデザイナーと共にワークショップの実施や必要なコミュニケーションツール、プログラムの設計・開発を行います。

「パーパス浸透度のモニタリング」からエンゲージメントを向上する

これらの具体的なアクションを実施するにあたり、従業員に対してエンゲージメントサーベイを通じてパーパスの浸透度をモニタリングすることも効果的です。エンゲージメントサーベイを既に導入している企業も多いかもしれませんが、従業員一人ひとりがどのように受け止め、何が変わり、何が変わらなかったかを知るだけでなく、これらを分析し、次の施策展開につなげることが重要です。

さらに、これらの指標を人的資本の主要な開示項目として活用するだけでなく、離職の要因や予兆、その他の従業員の問題に関連する指標と共に分析することで、複合的に企業の課題を早期発見することにもつながります。

ミテモではこれらの組織の課題解決に向け、組織課題の適切な把握を行います。アセスメントを用いた定量的な分析や、複数人へのインタビューを通じ、定性的な分析を行っていきます。その後分析した結果に基づいて、解決のための打ち手と計画を立てていきます。

すでにエンゲージメントサーベイを導入していても、「結果が出たが、どう活用したらいいのかわからない」という課題を抱えている企業様もいらっしゃいます。既にある結果の効果的な活用方法や、そこからさらに課題を深掘りし次のステップをご提案することも可能です。

「企業価値」という視点で「人的資本の向上」が喫緊の問題として顕在化されていますが、その問題の1つの答えとして「エンゲージメントを向上させる」という手法があるかもしれません。その手法にご興味をお持ちの方はぜひミテモにご相談ください。

またエンゲージメント向上に関するサービスラインナップがダウンロードいただけます。ぜひご利用ください。