「察して動く」組織文化からの脱却は上司のふるまいから始まる - ミテモ株式会社

「察して動く」組織文化からの脱却は上司のふるまいから始まる

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

  • {{tag.name}}

「チームが思うように動かない」のは、意欲の問題だけではない

「自分の背中を見て学んでほしい」
「任せたからには、自分で考えて動いてほしい」

そう願いながら、部下の成長を支えてきた方も多いのではないでしょうか。
一方で、「最近の部下は指示を待つことが増えた」「報告や相談の回数が減った」「以前より会話の機会が少なくなった」と感じることもあるかもしれません。

「どうすればもっと主体的に動いてくれるのか」「信頼関係を築くには何が必要なのか」。そう考えながらも、なかなか手応えを感じられない。そんなときは、少しだけ視点を変えてみるのも一つの方法です。鍵を握るのは、上司の言葉遣いよりも、表情や声のトーンなどの“非言語”のサインです。
何気ない表情や忙しそうな仕草が、知らないうちに“話しかけづらい”と感じさせてしまうことがあります。
とはいえ、大きな改革は必要ありません。意識をほんの少し変えるだけで、部下の反応もチームの空気も、確実に変わりはじめます。

「察して動く」空気が、上司と部下の間に見えない距離をつくる

けれども現場では、「忙しい上司の邪魔をしたくない」「自分で考えて動くのが当然」といった空気が、知らず知らずのうちに広がっていることがあります。

そんな中では、部下が「これを聞いていいのかな」と遠慮したり、確認を後回しにしてミスが起きたりすることもあります。上司としても、「任せたのに思ったように進まない」「報告が少ない」と感じ、双方の間に見えない距離が生まれてしまうのです。

チームを動かすのは、言葉よりも“ふるまい”

このすれ違いを解消するヒントになるのが、非言語コミュニケーションです。表情や声のトーン、姿勢、間の取り方――そうした小さなふるまいが、「話しかけても大丈夫」「相談しても受け止めてもらえる」という安心感をつくります。

このように、日々の“伝わり方”を少し意識するだけで、部下は話しかけやすくなり、チーム全体にも前向きな空気が生まれていきます。

そして、この“非言語”を意識することは、部下との関係づくりだけでなく、自分自身の感情や態度を整えるセルフマネジメントにもつながります。忙しさや焦りがある中でも、落ち着いたトーンや穏やかな表情を意識することで、自分の心も周囲の空気も、少しずつ穏やかに整っていくのです。

結局のところ、マネジメントの本質は“部下に指示を出すこと”ではなく、“安心して考え、行動できる場を整えること”です。日々の小さなふるまいが、チームの自律性を育み、やがてイノベーションの芽やエンゲージメントの高まりへとつながっていきます。

相談したくなる上司になるための3つのポイント

理想のマネジメントとは、上司が“話しかけづらい存在”ではなく、“相談したくなる存在”であること。
部下が安心して意見を言える関係があってこそ、チームの力は最大化されます。
とはいえ、特別なことをする必要はありません。日々のちょっとしたかかわり方を少し意識するだけで、関係性は少しずつ変わっていきます。そのヒントを、3つのポイントにまとめました。

1.表情や姿勢で「聴いている」を伝える

無表情や腕組みは、相手に「否定されるかも」という不安を与えがちです。 完璧なリアクションでなくても、うなずきや穏やかな表情、相手に体を向ける姿勢だけでも安心感につながります。

2.フィードバックは“問いかけ”で始める

「なぜそう思った?」「どう考えた?」と問いかけてみる。そんな小さな一言で、部下は自分の考えを受け止めてもらえたと感じます。理解しようとする姿勢が伝わるだけで、対話の質が自然と深まっていきます。

3.感情のコントロールを意識する

焦りや苛立ちは、無意識のうちに周囲に伝わります。まずは深呼吸をして、一拍おいてから話すだけでも印象は変わります。落ち着いたトーンが、チーム全体に安心感を広げていきます。

【明日からできる実践ヒント】

1.“忙しい顔”を封印する

部下が話しかけてきたとき、手を止めて顔を向ける――それだけで十分です。「いま話しかけてもいいんだ」と感じてもらえれば、自然と会話が増えていきます。

2.沈黙を恐れず、間を取る

相手が考えているときは、急いで言葉を挟まない。数秒の沈黙が、相手の考えを整理する時間となり、「きちんと聴いてくれている」という安心感を生みます。

3.フィードバックの前に“ありがとう”から始める

伝える前に“ありがとう”をひとこと加えるだけで、空気はやわらかくなります。
感謝のトーンが伝わると、対話の時間が評価の場ではなく理解の場に変わります。

チームが思うように動かないとき、その背景には、言葉では届かない“わずかなズレ”が隠れていることがあります。表情や声のトーン、態度といった非言語のサインを意識するだけで、部下が安心して意見を出せる関係が少しずつ育っていきます。

ミテモの管理職研修では、こうした関係づくりのマネジメントを実践的に学ぶことができます。明日、部下に声をかけるとき、ほんの少し“聴く姿勢”を意識してみてください。その一歩が、チームが自律的に動きはじめるきっかけになるはずです。

関連サービス

関連コラム