PROPEL|「採用」から始まるブランディング強化が、地域の未来を動かす。 - ミテモ株式会社

PROPEL|「採用」から始まるブランディング強化が、地域の未来を動かす。

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人口減少や都市部への人材集中が進む中、地域企業は採用の難しさに直面しており、和歌山県も例外ではありません。
「地域企業の魅力をもっと正しく伝えたい」――その思いから生まれたのが、中小企業採用ブランド構築支援「PROPEL(プロペル)」です。
本プロジェクトは、前進となる名古屋市「DYNA(ダイナ)」での知見を基に「企業が自ら考え、学び合うプロセス」を重視して設計されました。DYNAとは異なる課題や発見も生まれ、その挑戦から得られた気付きと成果をご紹介します。人材不足に悩む行政・企業の皆さま、そして地域活性やまちづくりに関わる皆さまはぜひご覧ください。

行政担当者の危機感が動かした、採用ブランディング導入の一歩

PROPELが始まるきっかけに、和歌山県庁労働政策課の担当者(以下、行政担当者)による、県内企業の採用課題に対する強い想いがありました。和歌山県では、かつて50社が参加する合同説明会に100名以上の学生が集まりましたが、現在は企業数を少し上回る程度にまで減少しています。

そんな中、担当者は企業側がどのような人材を獲得したいのか不透明なまま採用に臨んでいるケースを目の当たりにし、課題は人が集まらないことではなく、企業が自分たちに必要な人材を明確に把握できていない点にあると認識しました。

また採用ブランディングの導入を決定するにあたり、「行政として採用ブランディングという企業側の支援にシフトすることで、企業が自走して採用に取り組んでいける構造を作りたかった」と語っています。この取り組みは短期的な成果を求めるものではなく、長期的な視点で企業の価値を育てるプロジェクトです。来年度の採用数増加など即効性を求める声もある中で、行政担当者は行政ができる支援の限界や、未来の企業への投資という観点から、丁寧に説明と対話を重ねていきました。

本プロジェクト導入に向けて、行政内の合意だけでなく、参加企業側の理解促進も重要なプロセスとなりました。まず「採用ブランディング」という言葉自体を知らない方に、ブランディングの必要性を理解いただく。一方で「自分の企業はブランディングできているから必要ない」という企業に対しても向き合い「では、どんな学生に来てほしいですか?」と聞いても、答えが曖昧な場合は”採用の現場でブランディングが機能していない”ことを伝え、本プロジェクトへの参加を促しました。

とはいえ、PROPELは短期的な成果を重視しないわけではありません。長期的な視点で伴走支援をしながらも、8ヶ月間の支援の中で必ずアウトプットを出せるようサポートを行っています。そしてその結果、直近の採用につながった参加企業もありました。本プロジェクト内で言語化した「自社の価値」と「どんな人材を求めているのか」を合同説明会で学生に伝えたところ、「その言葉に共感した」と実際に学生の興味につながったのです。

本プロジェクトは、誰でも参加可能なキックオフセミナーからスタート。このセミナーでは採用ブランディングの基礎や必要性について学ぶことができる場となっています。行政担当者は、企業と採用現場に真摯に向き合いながら、採用ブランディングの重要性を企業へ丁寧に伝え、セミナーへの告知や集客においても力を尽くしていました。
その熱意が参加企業にも伝わり、キックオフセミナー当日から参加者は学びに対して非常に前向きで、意欲の高い雰囲気に包まれました。行政担当者の、和歌山県内の採用現場に対する強い危機感と、「このプロジェクトは企業にとって不可欠である」という確固たる意思が、本事業の成功を支えた最初の鍵となったのです。

企業の自走を支える、3つのフェーズと8か月の伴走

改めて本プロジェクトの概要を説明すると、本プロジェクトは、学びから実践までを体系的に進める3つのフェーズ(キックオフセミナー、参加型ワークショップ、実践プログラム)で構成されています。

【3つのフェーズ】

  • フェーズ1:「キックオフセミナー」で、採用ブランド構築の意義や事例を学び、企業が取り組むべき方向性を掴む
  • フェーズ2:「参加型ワークショップ」で、ワーク形式で自社の現状や課題を可視化し、採用ブランドづくりの基礎を整える
  • フェーズ3:「実践プログラム」で、選考を通過した企業が、アドバイザー・伴走ディレクターとチームを組み、約8か月間にわたり個別支援を行う

2025年5月にキックオフセミナーを実施し、年内にプログラムが一旦終了する設計をしたことで、採用活動の繁忙期や新入社員教育の時期と重ならないよう進めることができました。本プロジェクトへの参加条件には、経営者もしくは採用の決裁権を持つ方及び採用担当者の参加が必須になっているため、現業にマイナスの影響を与えないという視点は大切だったように感じます。
採用担当者が責任を持って進め、絵に描いた餅にせず、採用の現場に落とし込むまでを支援するには、採用担当者や決裁権を持つ人の意志が欠かせません。
このように参加企業が自ら考え、主体的に動けるようになるためには、一定の期間をかけて取り組む必要があります。実際の支援を通じて、この8ヶ月間という期間が成果を出す上での最低ラインではないかと実感しました。

行政や企業には予算や参加可能期間などの制約もあると思います。この8ヶ月というスパンは、企業が自走できる状態をつくる上でのひとつのベンチマークとして参考にできると感じています。
プロジェクト終了後もフォローアップ期間を通じて、参加企業とゆるやかなつながりを持ち続けています。しかし、それに依存することなく、PROPELにご参加いただいた企業はミテモが積極的に介入をしなくても自走し、さらに、コミュニティが形成されていくことで企業同士による自らの学びや発展を継続しています。

企業の熱量が連鎖していく、刺激しあえる環境

では、なぜこのように自走できる熱量を持った企業が集まったのでしょうか?
その理由は、冒頭にあるように行政担当者による積極的な周知と、採用ブランディングへの意識の高い企業が参加したことにあります。
さらに、参加型ワークショップから実践プログラムに移行するタイミングで、ミテモが特に参画への意識・熱量が高い企業を選定したことも大きな要因です。

PROPEL一期目では本来5社を選定する予定でしたが、応募内容の質が高く、採用ブランディングへの意欲が非常に強い企業が多く見られたことから、1社増やし、6社での実施が決定しました。参加されている企業の業種、企業規模、ブランディングにおける企業内の状況など全く異なっていましたが、それぞれ採用に対しての課題に真摯に向き合い「ここで何かを作り上げるぞ」という強い意志を持った方々でした。
熱意があふれる参加者ばかりでしたが、熱意だけではすぐに「企業としてありたい姿を言語化する」ことは難しく、時間をかけた対話が必要でした。
支援のプロセスでは、自社の強みや弱みや個性を見つめ直し、仕事の価値観を従業員目線で見つけるなど様々なステップを通じて、伴走ディレクターやアドバイザーが支えながら魅力や強みを言語化しました。
この作業の中で予定よりも多く時間を要したり、言語化ができても「どんな人材を採用するべきなのか」との接合が取れなかったりと、企業ごとにつまずくポイントがありました。しかし、そんな中で突破口となったのは「企業同士の刺激」でした。

本プロジェクトでは中間報告会を設け、全ての参加企業の前で現状の取り組みと今後の実践プランについて発表していただきました。その報告会では、行政担当者や伴走ディレクターから厳しい意見が寄せられる場面もありましたが、そうした指摘が刺激となり、参加企業の意欲に火がついたのです。彼らの指摘だけでなく、他の企業の報告を聞く中で「もうキャッチコピーまで完成している企業がある!」「こんな具体的に次のアクションを思いつくなんて!」といった驚きや刺激を受けた企業も多くありました。
その他にも「アドバイザー進捗共有会」という1人のアドバイザーにつき3社が同時に現状のフィードバックを受ける機会を設けました。そこでアドバイザーから他社へのコメントを聞けることも勉強になったという反応もありました。自ら悩み考えたプロセスを新たな視点として、企業同士が共有・刺激し合う環境が生まれやすいというのも、このプロジェクトの特徴かもしれません。

【実践プログラムの体制】

企業の変化が地域を動かす、PROPELが生んだ成果と広がり

プロジェクトを通じて見えてきた和歌山県の企業について尋ねると、行政担当者は次のように語りました。
「和歌山県内には日本だけにとどまらず世界で活躍する企業が沢山あります。ただ、企業が今後も発展していくために成長を担う優秀な人材が必要不可欠です。」
地域に根付く魅力あふれる企業が活気づくことで、人口減少や都市部への人口流出を課題に抱える地域を活性化させることにもつながるのではないでしょうか。
企業と地域とのつながりが生まれた具体的な例に、今回のプログラムでビジョンマップを作成した企業があげられます。このビジョンマップは社員自ら考え制作し、経営者と社員の共通の認識を持つ土台となりました。しかし、それだけでなくそのマップを元に地域でのイベントを実施。さらに、「地域に根ざした会社を目指す」という思いを、社員同士で共有することもできました。
このように、ビジョン策定は社員の内省を図るだけでなく、地域を意識した実際の取組みにつながることもあるのです。

さらにフォローアップの期間には、有志の参加者が集まり新たなコミュニティを生み出そうという動きもありました。それは「和歌山県の人材育成をさらに盛り上げていこう」という前向きな動きへと発展しています。PROPELでの学びやつながりを足場にしながら、和歌山の次の世代を育てていこうという機運が高まっていることは、このプロジェクトの非常に大きな成果と言えます。
これら以外にも、それぞれの企業において多種多様なアウトプットが見られ、実際の採用につながったケースや、自治体との連携ができるようになった企業もありました。そして何より、プロジェクトを通して社員との意思疎通がしっかりとできるようになり、社員が自ら考え動く姿も見られるようになりました。参加企業の多くが、こうした社内での変化を感じているのではないかと思います。今回は特に熱意を持った企業、行政担当者が集ったことによって、「和歌山=採用ブランディング」と言われる未来に一歩近づいたと感じています。

今後は、行政の皆さまと協働しながら、地域の採用課題に応えられるようプロジェクトの継続と改善を進めていきます。また採用ブランディング支援の取り組みを「デザイン経営の好循環モデル」として体系的に整理し、他の支援プロジェクトにも展開していく予定です。さらに、採用後の定着や社員のエンゲージメント向上のため、企業への支援へと領域を広げることも検討しています。
採用に課題を感じている行政担当者はもちろん、企業の担当者も、まずはお気軽にご相談ください。

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