地域内にノウハウや資産が蓄積する意味のある支援事業はどのように設計出来るか 後編 - ミテモ株式会社

地域内にノウハウや資産が蓄積する意味のある支援事業はどのように設計出来るか 後編

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ミテモの地域共創チームが、これまで数多くの地域で行政、民間企業、市民団体などの皆様と地域に好ましい経済・社会の循環を生み出すための事業を展開してきた実践知を紐解き共有するノウハウコラム。

今回は「地域内にノウハウや資産が蓄積する意味のある支援事業はどのように設計出来るか」を問いとして設定し、実践知をご紹介しています。 <前編はこちら>

ミテモの学びとデザイン。そしてデザイン・ファシリテーションへ

ミテモはこれまで、大小様々な企業に対し、学びとデザインという二つの柱を軸としながら、理念浸透、人材開発、新規事業開発・イノベーション促進や組織づくりまで、様々なサービスを、ワークショップや、コンサルティング、教材開発を通して提供してきました。そこから得た教示は、「学びとは必ずしも一方的に教授することではなく、相互的に行われる」ということです。それは、会社と社員、社員と会社の関係において、会社組織の在りたい姿から演繹的に社員の行動規範を導き、定められた目標値へと引き上げるといった事にとどまらず、社員が何を考え、どう在りたいのかを出発点として、帰納法的に会社の進むべき姿を、相互的な対話を通して行っていく事ではじめて得られる学びの形でした。会社と社員の思いをどう擦り合わせ、社会の中で、どうビジネスとして立ち上げていくか。それを、ワークショップという相互的な学びの中で、実践しながら考えてもらう。ミテモはそのプロセスを支援しながら会社のビジネスを育てていくファシリテーター(促進者)として共に考えています。

 教材制作においても、単に定型的なHaw toに落とし込んだEラーニングを作るのではなく、どのように作れば、現場の人たちの課題解決につながるデザインになるのかを考えてきました。ミテモが考える「デザイン」とは、根底にある課題とは何か、対象となる人たちは何を必要としているのかまでを考え、かたちとして示すこと。色や形はあくまで、目的に即して考えられる手段でしかありません。デザインの語源がラテン語のDesignareであり、「計画する、示す」を意味していたことを思えば、それは対象者の課題を見出し、解決策を計画すること。そして、人と共有するために示すものであると言えます。価値や内容を伝えるために考えられる色や形と、課題を解決するために考えられる計画は同じデザインなのです。ミテモの学び、デザインは対象となる会社と社員に向かって考えられ、常に人を中心として設計されているのです。

 ミテモは教育とデザイン会社としてのバックグラウンドを生かし、地域共創の事業を支援しています。本事業ではデザインによって、地域と事業者の課題を見出し、課題解決のための計画を立案する。それらをファシリテーターとして、円滑に進むように触媒として作用し、それを実践する。そして、コンサルティングとして人が集まり続ける契機を共につくる。これまで、事業者と社員という人に向き合ってきたからこそ出来ることがあり、人のことを考えてきたからこそ、人によって構成される社会について、より良いアプローチが出来る。私たちが地域にとって最も大切であると考えるものは、「ハコ」でもなく、「モノ」や「コト」でもない。その地域に住み、地域を構成し、地域の環境を作る。そして、地域を良くしていこうと考える「ヒト」なのです。

デザイン・ファシリテーション × コンサルティング = 地域共創

ミテモの考える地域共創は、補助金を使って、わかりやすい目先の実績を追い求めるのではなく、地域の事業者がビジネスを自らで生み出していけるノウハウやスキルを身につけてもらうこと。人と人が相互作用を起こしながら各々が成長していける環境を作り、地域を変えていくための基礎体力を身につけてもらうことです。そのために、まずは、地域を本気で良くしたい、新たな事業を生み出していきたいと思っている、想いのある行政担当者や事業会社の地域活性担当者のみなさんと一緒に、課題を見出すことから始めます。そこでは、決して一般化出来ない特殊な地域の課題に対し、ミテモのデザインを用いて、課題解決のための計画を作ります。計画は、その地域と人のことを中心において考えられ、当事者達にとって意義のある、そして、同時にチャレンジングなものになります。

 次にチャレンジしてもらうための場と機会を作ります。必要なのは、今後、地域の経済を支えていくキーマンになりうる、地域を変えていこうという意欲があり、課題を抱えている人。そういう人が、参加したい、チャレンジしたいと思えるような、集まる場と機会を作ります。そこでは、地域の内外にいる様々な業種の事業者や、先進的な取り組を行っている人が集まり、新しい事業を作るワークショップを行います。集まった事業者達と一緒に取り組むことで、知識を共有しながら、事業開発のプロセスを実践知として学んでもらう。自分が苦手なことも含めて、一人(一社)では出来なかったことを、集まった事業者達と出来るようになってもらう。そうした機会を作る事で、集まった事業者達は地域を超えて共に学び合い、協働していける関係を構築する。集まって単発的な取り組みを行なって終わりなのではなく、支援が終了した後も、新しく事業を始めようとする段階で、共に学んだ事業者が地域の内外にいる。些細な事でも相談出来る、力になってくれるネットワークが出来上がる。

 重要なことは、課題解決を行う当事者は地域の事業者だということです。地域の事業者達が、自らで事業を成長させ、利益をあげられるようになってもらう。ミテモの仕事は、そのためのノウハウやスキルを身につけてもらうことであり、地域内外に事業者達の有用なネットワークを構築する契機を作ること。行政や事業者が、自らの力でサスティナブルな発展を続けていける。そういう状態が、地域にしっかりと資産が残るということであり、それが、ひいては地域の課題解決に繋がる。 ミテモはその地域が抱えている課題にしっかり寄り添って、解決出来るだけの知見を提供し、当事者の行政担当者や事業者が行う自己改革のために踏み出す一歩を、学びとデザインを駆使して、サポートする。それが、ミテモが考えるデザイン・ファシリテーションであり、コンサルティングを用いた地域共創のかたちなのです。

 私たちの目指すゴールは、私たち、ミテモ自身が、その地域で不要になることなのだと考えています。

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