パンづくりを究められる人材を発掘する採用グループワーク〜採用面接ではわからない、現場で求められる素質を見抜く~ | ミテモ株式会社

パンづくりを究められる人材を発掘する採用グループワーク
〜採用面接ではわからない、現場で求められる素質を見抜く~

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ミテモでは人材要件定義の策定からグループワーク企画などを通じて、あらゆる企業にビジョン浸透を絡めた採用マッチングをサポートしてきている。
今回は、100年以上の歴史を持ち、日本のフランスパンというジャンルをけん引してきた老舗、株式会社ドンク様(以下ドンク)に提供した採用グループワークプロジェクトを、インタビュー形式で紹介する。
ドンクは、世界的なベーカリーコンテストでも多くの実績を残しており、国内だけではなく海外からの評価も高い。しかし、さらなる展開を見据えたときに、よりドンクの理想を体現できる人材を発掘していくことが不可欠だった。そのような状況下で新卒採用を一任されたのが、さまざまな業界で人事を経験してきた人事室長 安藤邦彦さん。
安藤さんを中心に作られた採用チームに与えられた今年度のミッションは、ドンクの採用条件に見合う人材50名の内定受託者の確保。ミテモでは、そのためのグループワークの設計の支援を担当させてもらった。
今回は、採用責任者である安藤さんに加え、ドンク歴17年目、根っからのドンクファンであり、新たに人事メンバーに抜擢された三木牧子さん。製造部門から大胆転身を経て、同じく人事メンバーに抜擢された大村雅枝さん。この3名にドンクの理想を体現する人材を、発掘する方法についてお話を伺った。

左から、森本康仁(ミテモ株式会社)、安藤邦彦さん(管理本部 人事 室長)、大村雅枝さん(管理本部 人事)、三木牧子さん(管理本部 人事)

ケーススタディ概要

ケース

株式会社ドンク

目標

パンづくりを究められる人材を採用するために、採用面接ではわからない、パンづくりの現場で求められる素質を見抜ける採用グループワークの開発

ワークの流れ


ひとつひとつを粉から作りあげる、
職人の世界

森本:まずは改めて、ドンクについてお聞かせいただけますか?

安藤さん:私たちドンクは、フランスの良質な食文化を広めたいという創業者の想いから、フランスパンやフランス菓子をお届けしている会社です。2019年8月8日は、創業から114年を迎えます。現在ではアジア圏への進出にも力を入れており、国内外に200店舗近くを展開しています。
弊社のこだわりは『スクラッチベーカリー』。これは工場の機械で大量生産するのではなく、職人が生地を仕込み、成型し、焼き上げまで一貫して行い、お客様にご提供するというスタイルです。このスタイルは創業当初から現在まで、その姿勢は変わっていません。

森本:『スクラッチベーカリー』という言葉自体、馴染みのない学生の方も多いのではないでしょうか?

安藤さん:そうですね。
200近くも店舗があると、「工場のライン作業で作って、お店では焼くだけ」といったイメージを持たれることが多いです。
しかし、ドンクでは、そうではなく、粉を計ってミキサーにかけて、こねて、焼いて…という工程を手作業で行っています。湿度や気温にも配慮しながら、毎日小麦粉と対話をするような職人の世界ですね。

ベーカリーのワールドカップとも言われる『クープ・デュ・モンド』をはじめとした世界的なコンテストでコンスタントに実績を残しているというのもあって、「パン作りを究めたい」という方にとってはこれ以上ない環境であるという自信があります。
しかし、そのような方々とのマッチングが、思うようにできていないのでは?という課題を感じていました。

さまざまな業界で人事を経験してこられた安藤さん。ドンクには2018年から人事担当として参画し、求める人物像から再設計されました。

面接だけではわからなかった、
仕事への向き合い方

森本:なぜ、マッチングすることが難しかったのでしょうか?

安藤さん:調理系専門学校卒であればパン作りを経験された方も多く、選考がしやすいのですが、新卒採用でお会いする学生さんの約6割は、そういった経験をお持ちではありません。だからといって「適性がない」というわけでもないのです。
入社後に、パン作りの楽しさに気づいていき、どんどんのめり込んでいく社員もたくさんいます。しかし従来の選考方法では、そこの判断ができなかったのです。

森本:なるほど。経験で判断するのは簡単でも、素質を見るのが難しかったということですね。

大村さん:これまで一次選考は集団面接でしたので、どうしても表面的な質問しかできませんでした。それで引き出せるのは、就活セミナーなどで教えてもらった通りの受け答え。本質的な部分が全然見えてこないと感じていました。
私たち自身の反省点としても、説明会や面接で、当社のパン作りがどのようなものかを、十分にお伝えできていませんでした。
つまり「当社のパン作りを学生さんに知っていただくこと」と「私たちのパン作りに興味を持ち、活躍していただけそうな人材を見つけること」という2つの課題があった状態です。
そこで、課題を解決していくために話し合った結果、「グループワークがいいんじゃないか?」という案が生まれてきました。しかし、グループワークの企画や運営を経験したことがある人事メンバーは一人もいませんでした。

「当社のパン作りを学生さんに知っていただくこと」と「私たちのパン作りに興味を持ち、活躍していただけそうな人材を見つけること」という2つの課題があった、と話す大村さん。

森本:だから、その部分をミテモにご依頼いただいたということですね。

安藤さん:そうです。まずはプロの力をお借りして、自分たちのノウハウを高めようと考えました。

パン作りに近いなにか…
辿り着いたのは、紙粘土!?

森本:具体的に、学生さんにはどのような素質を求めていたのですか?

安藤さん:まず1つは、様々な作業を同時進行する処理能力です。あっちでタイマーを計りながら、こっちで粉をこねつつ、オーブンを温める……限られた時間内にパンを作る。そのためにどう効率的に行動すべきか、を考える癖が必要です。
2つ目は、チームプレーへの適性です。現場では、様々な工程を協力し合うことが求められますから、これも欠かせません。
3つ目は、単純に「パン作りを楽しめるかどうか」。
この3つのポイントを網羅した『究める』というキーワードを軸に、ミテモさんと話し合いながらグループワークの内容を固めていきました。

森本:現場で活躍できる人材を選抜するために、プログラムの設計にあたっては、現場の仕事内容についてかなり細かくヒアリングをさせてもらいました。その中では、単純作業を工夫し、楽しみつつ、黙々とやり続けられると言うポイントがあがりました。
そこから「大根おろしをいかに効率よく、丁寧に作ることができるかを競ってもらおう」なんて案も提案させていただきましたね(笑)

紙粘土を使ったグループでのパン作り・メニュー作り」なら、食品も無駄にせず、限られた選考時間の中でパン作りを体感しながら取り組めるだろうと確信した、と話す安藤さん。

安藤さん:そのアイデアも面白かったんですけどね(笑)。
私は人事の経験しかありませんので、現場からの意見もお伝えさせていただきました。店舗マネージャーを経験していたメンバーから届いたのは「できることなら現場の温度感を、本当の食材を使うことで味わっていただきたい。でも、時間や食品ロスの観点から難しい…」という声でした。
そこで食品も無駄にせず、限られた選考時間の中でパン作りの温度感を知っていただくグループワークを考えた結果、現場も人事も満場一致だったのが「紙粘土を使ったグループでのパン作り・メニュー作り」。これなら、実際にパンをこねるように、メニューを生み出すように、取り組んでいただけるだろうと確信できました。

粘土をパン生地に見立てて、新商品開発を行うグループワークを実施。メンバーとコミュニケーションしながら限られた時間で仕上げる力を見定めます。

面接と違って、グループワークでは実際に手を動かす。一人ひとりの個性が大きく現れました。おかげで、学生さんの見え方がガラッと変わりました、と話す三木さん。

森本:実際にグループワークを実践してみて、学生さんのどんな側面が見えてきましたか?

三木さん:面接と違って、グループワークでは実際に手を動かす。一人ひとりの個性が大きく現れました。
作業を進める手順・効率においても明らかに個人差がありましたし、コミュニケーションの取り方という面でも、リーダーシップを発揮する人、話をよく聞く人、先走って行動する人、遠慮して意見を言えない人など様々でした。
グループワークのおかげで、学生さんの見え方がガラッと変わりました。

グループワークのあと、学生さんにはワークシートに、「グループワークで発言できなかったこと」や「実現できなかったこと」も書いていただき、個々人の考えも見ていくことで、より評価の精度を高めています、と話す大村さん。

大村さん:細かい部分ですが、紙粘土を開封した後の袋をきちんと畳むとか、イスをしっかりと戻すとか、ちょっとした行動からも色々なことが見えてきましたね。

森本:評価をするにあたって、なにか苦労した点はありましたか?

安藤さん: 今回は初の試みというのもあって、かなり多くの人員を割きました。
少しでも皆さんのいいところを見逃すまい!と、それぞれのテーブルごとの評価者に加え、全体を俯瞰する担当も配置していたため、人事業務の効率という点では課題が残る結果でした。
ただ、できるだけ評価者によって個人差がないよう、ミテモさん協力のもと評価シートを用意したこと。人事間での意見のすり合わせを、綿密に行っていたこと。こういった点が功を奏し「評価のブレをなくす」という点では満足いく結果となりました。

大村さん:学生さんへのアンケートで「グループワークで発言できなかったこと」や「実現できなかったこと」も書いていただくことで、より評価の精度を高めています。
「ちゃんと効率のいい手順を思い浮かべていたのに上手く発言できなかった」という方には、入社後にコミュニケーションスキルを磨いていただければ、活躍していただけるはずですから。それは、面接だけならわからなかったことでしょう。

採用活動における、
新しい一歩となったグループワーク

森本:グループワークを実施するようになって、学生さんからはどんな反応がありましたか?

三木さん:多かったのは「短時間で色んな作業を同時進行するのが難しかった」という意見。
これには、思っていた以上にグループワークの効果を実感しました。限られた時間の中で、複数の仕事をこなしていく難しさを体験していただき、乗り越えられるかどうかが、パン作りへの適性があるかどうかの判断材料になりますから。

グループワークのあと、学生さんにはワークシートに、「グループワークで発言できなかったこと」や「実現できなかったこと」も書いていただき、個々人の考えも見ていくことで、より評価の精度を高めています、と話す大村さん。

安藤さん:あとは、「こんなグループワークは初めてでした」「パン作りのことを楽しく知れました」という意見も多くいただけたのも嬉しかったですね。
採用のグループワークと言うのは、一般的に受ける側にとっては決して喜ばしいものではないと思うのですが、受けた側が喜んでくれるようなワークができたと言う事は究めるということをテーマに進行している私達としても、いい仕事ができたなと嬉しく思います。
当初、ミテモさんに内容を考えていただく際に「ドンク独自のグループワークがしたい」というオーダーをさせていただきました。それを実現したうえで、学生さんに仕事への理解度を深めていただくこと。好印象を持ってもらい志望度を高めていただくこと。面接ではわからなかった一人ひとりの様々な側面を見ることも要望いたしました。
幸い、今年度に関しては、質・量ともに、我々の想定していた人材を確保することに成功することができた事から考えても、全てを実現できたと思います。

森本:今年の結果を踏まえ、今後グループワークをどのように変えていきたいと考えていますか?

安藤さん:学生さんにドンクへ興味を持っていただくこと、ドンクの理想を理解していただくことに関しては十分な効果を得ることができました。
このスタイルをひな型にして、私たち自身がカスタマイズしていき、「ドンクらしさ」を今後の採用活動でも表現できるようにしていきたい。ミテモさんにも「一度納品していただいたあとも、自走できるもの」という難しいオーダーをカタチにしていただいたので、感謝しています。

今回のワークショップをひな型にして、私たち自身がカスタマイズしていき、「ドンクらしさ」を今後の採用活動でも表現できるようにしていきたい、と語る安藤さん。

三木さん:あと、今後進化させていきたいのは業務効率です。少ない人数でも正確な評価ができるように工夫していきたいと思います。

森本:ありがとうございます。今後の計画も万全のようで、安心しました。最後の質問ですが、グループワークを行うことで、ドンクの中でなにか変化はありましたか?

安藤さん:今年採用した人材が活躍するのは2020年4月以降なので、まだまだ変化はこれからでしょう。
ただ、こうした取り組みが採用数・定着率の向上に結び付くことで、働き方改革を実現できるのではと考えています。これは採用段階でも問題になっていますが、転勤のあり方をどうするのかや、残業をいかに減らしていくかなど、採用以外の面でも、取り組むべきミッションが残っていますから。
また、人事チームとしては「ドンクの仕事とは、どのようなものなのか?」「どのような人材が必要なのか?」という点を改めて考えることで、発見がたくさんありました。そうした意味では、ドンクの採用活動において新しい一歩を象徴するグループワークだったと感じています。

安藤さん、三木さん、大村さん、インタビューへのご協力まことにありがとうございました。

ファシリテーター 森本からひとこと

森本康仁

プランナー
LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテーター

私自身、就職活動で、集団面接や個別面接を体験した中で、グループワークは、志望者にとっては、初めてのタッチポイントであり、そこで就職するにせよ、就職はしないにせよ、企業のイメージを定める非常に重要な機会だと考えていました。
そのため、ワークを通じて、人を適切に選抜するのはもちろんですが、受講者側にとっても「受けに来て良かった!」「ドンクって本当にいい会社!!」と思ってもらえるようにプログラムをデザインしました。
採用グループワーク制作にあたっては、できるだけ現場の仕事に近くなるようにと、パン作りや、パン屋さんの経営について様々取材をしていきました。
さすが世界一のパン職人を輩出している企業というだけあって、様々なところに小さな工夫やこだわりがあり、皆さん、究めるという事に対して真摯に取り組まれていることがよくわかりました。なので、できるだけそれを伝えることができるようにと組み立てていきました。
プログラムの最後には、なぜドンクがこのようなプログラムを提供しているのかという種明かしを行うのですが、受講者やご一緒してくれたドンクの方々の反応を見る限り、このプログラムを通じてドンクで働くことの魅力とともに、ドンクが作り上げてきた文化を伝えられたのではないかと思っています。
ワーク終了後、受けてくれた子たちに、感想を聞いていった時には、「こんな楽しいグループワークは初めてです」「すごく勉強になりました」「ここで働きたくなりました」と言っていただくことができました。
ドンクの方々と一緒に働いていく中で、私がすっかりドンクファンになっていたのもあり、発注してくれた方々に満足いただくのに加えて、受講した方々にもそう言っていただけるのは大きな喜びとなりました。良い仕事をご一緒させていただいたことに心から感謝しています。

インソース営業担当 南からひとこと

南祥平

インソース 営業担当

グループワークに参加された学生が真剣に、そして楽しみながら課題に取り組んでいた姿が印象的でした。面接では引き出しにくいような個性がしっかりと出ることがこのグループワークの一番の価値だと思います。
例えば、話すことはあまり得意ではありませんが、手先が器用で集中力があり面白い作品をつくる学生や作品はうまく作れませんが、周りとのコミュニケーションを大切にしてリーダーシップを発揮できる学生など様々です。
学生にとって新卒として入社する会社は一生に1回、採用する側の会社としても長く活躍してもらえる人材を採用したい。採用においてミスマッチをなくすことが双方にとって間違いなく良いことですので、今回のような採用のご支援についてもどんどんご提案していきたいと思います。
ドンクという素晴らしい会社の採用のお手伝いをさせていただきました事心から感謝しております。今回の採用で入社される方々が大活躍されますことを祈っております。


【企業紹介】

  • 株式会社ドンク
  • 代表取締役社長執行役員:中土 忠
  • 事業概要:1905 年、神戸で創業。日本で本格的なフランスパンを神戸で販売を始めて 50 余年、 フランスパンブームを起こすなど、創業当時から本場の製パン技術の習得や ヨーロッパの食文化の紹介に力を入れ、日本のパン業界をリードし続けてきました。 総店舗数が海外を含め約 200 店舗まで広く展開している今でも、粉から生地を仕込み、 成形して焼き上げるまでの工程を一貫して行う「スクラッチ製法」にこだわり、 各店舗で職人がパンを焼き上げます。海外への職人派遣や海外からの講師を招いた技術研修も 積極的に実施し、パンのワールドカップ“クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー”へは 過去 8名の職人を輩出するなど、日本トップクラスの高い製パン技術を誇ります。
  • Webサイト:http://www.donq.co.jp

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