成功するインターンシップのつくりかた | ミテモ株式会社

成功するインターンシップのつくりかた

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この記事の筆者

森本 康仁

ミテモ株式会社

1981年1月4日 東京都江東区生まれ。
北海道教育大学札幌校を卒業後、9年ほど東京都で小学校教員として勤務。 その後、フィリピンのセブ島にて、営利、非営利、日本人向け、外国人向け、大人向け、子供向けと言った様々な教育活動に従事。 2015年~ミテモ株式会社に入社。人材育成、採用活動、組織開発を支援するためのデザインとファシリテーションに多数従事。今、時代が必要としている学びの場を作り、届けることをテーマに活動中。

0.はじめに

はじめに、今回の資料の情報源について簡単にお伝えします。ベースには、私自身の様々な教育領域での活動(教員を9年間、3年ほどフィリピンのセブ島で日本人向け、外国人向け、営利、非営利、子供向け、大人向けなど、様々な教育活動)の経験則があり、その上で次のような方々への取材を行いました。

図に示したように、先進的な採用をされている企業の採用担当者、採用コンサルティング企業、採用関連書籍の執筆編集に携わる方々、採用メディア、そして私の教え子を含めた現役学生の方々、こういった5つの異なる属性の皆さまに取材としてご協力いただきました。本コラムに掲載している資料については以下よりダウンロード可能です。

では本題に入ります。まず、インターン成功の4段階についてお話しします。ここでは、「大成功」「成功」「失敗」「大失敗」と4段階に分けています。

たとえばインターン に参加した学生が「退屈だった」「もう関わることはない」と思ってしまうような体験は失敗と言えます。どうやったらこのような失敗を避け、成功・大成功に到達することができるのか。それは「4つの魅力を適切に伝えること」これに尽きます。
4つの魅力とは、

  • 1)担当の魅力
  • 2)社員の魅力
  • 3)自社の魅力
  • 4)仕事内容の魅力

のことです。
それぞれ具体的に説明すると、

  • 1)学生に対して、採用担当者の魅力が伝わるか
  • 2)採用担当者以外(先輩社員、管理職、社長など)の魅力が伝わるか

3と4は記載の通りですが、これら4つがきちんと学生に伝われば成功する確率は高まり、逆にうまく伝わらないと失敗する可能性が高くなります。ここは充分に意識していただけたらと思います。

1.昨今の日本のインターン事情

インターンには関係者が4者(国・企業・大学・学生)います。いまの日本のインターンについて一言でいうと、就活支援サービス各社が音頭を取りながら、企業と学生のマッチングを進める状況です。そこに対して国や大学は、やりすぎじゃないのかとブレーキをかけ軌道修正を図ろうとしており、これは世界的に見て非常に特殊です。

ではこの状況をどうしたらよいのでしょうか。私は「四方好し」を目指すべきだと思います。国や大学のことも重視した上で、学生が有益な情報や経験が得られ、企業は学生に価値や魅力を伝え、社会に貢献できる。そのようなインターン設計を目指したいと思っています。

ですので、採用担当の皆さんには「自社が持つ知見を、どうすれば学生たちの実践的学びとして授けることができるか」という観点を持っていただけたらと思います。

2.採用戦略としてのインターン

学生の意識は二極化しており、パッシブ層とアクティブ層での差が大きく開いています。

パッシブ層とは、「みんなが行ってるから行かなきゃ」とインターンに流れてきた学生を指し、アクティブ層は働くことや就活について真剣に考えてインターンの計画も組んできた学生のことを指します。インターンを採用戦略とするときには、そのどちらの層の学生にどう働きかけていくのかをしっかり考えておく必要があります。

たとえばパッシブ層の学生がメインの参加者となるような企業では、「働くとはそもそも何か」を伝えることなく、自社の魅力を伝えてもほとんど意味がありません。そういうターゲットならば「生きるとは、働くとは」というようなことが伝わるプログラムにすると良いと思います。

一方でアクティブ層の学生に対しては「感情報酬」がポイントになります。報酬というと一般的には金銭的報酬のみを想像しますが、それだけではなく感情的報酬もあります。

昨今の若者は感情報酬を大事にする人も増えているため、金銭以外の「魅力ある報酬」を得られるように設計を考えていく必要があります。

3.インターンの作り方

インターンは時間軸で見ると、大きく分けて企画フェーズと実施フェーズがあります。「良いインターン」をつくるには、それぞれの必要条件を合わせて考える必要があります。

ここに示すような必要条件に基づいて、具体的な手立てを考えていくことが重要です。考えるべきことの手順として、上の図に示したようなそれぞれのポイントをおさえて進められると大成功する可能性がグッと高まると思います。

では、インターンのモデルケースを考えてみましょう。

この内容をもとに日数や時間は調整できます。たとえば、2日間実施するなら前日のワークの発展に取り組んでもらって、全体の振り返りをする、というのがシンプルで効果的なフォーマットだと思います。また、学生を魅了するために社内の誰に話をしてもらうかによって、学生の満足度や敬意は大きく変わります。私は、以下に示す4つの要素を兼ね備えた人が話してもらうこと良いと考えます。

4つの要素とは、

  • ①高い専門性
  • ②豊かな感性
  • ③豊富な経験
  • ④言語化スキル

この要素を満たす人は忙しくされているかと思いますが、ぜひ社内でこれらの要素を合わせ持つ人を探し、話をしてくれないかと働きかけてみてください。それができるだけでも学生たちの体験後の感想は大きく変わるはずです。

続いて、インターンの中で設定するミッション案(学生がチャレンジする課題)について考えてみましょう。ミッションは、抽象的なミッションと具体的なミッションに分けられると思います。それぞれにメリット・デメリットがあり、抽象度高いものは楽しいですが、フワフワしたまま終わってしまいやすいです。一方で具体的なものは、業務イメージがつきやすくスキルが高まりやすいものの、現実的すぎて面白みがないという可能性もあります。

どんなミッションかという内容も大事ですが、それと同じくらい体験の難易度調整も大事です。そして、「なぜこのミッションにしたのか」という理由の説明や、成果物へのフィードバックによっても、体験の価値は大きく変わります。

自社の属する業界や、自社の業務によっては、具体的な業務体験をインターンで体験させるのが難しいというケースもあると思います。その場合は、抽象化した疑似就業体験を作ることを私はオススメしています。たとえば自社の強みが精密さにあるのなら、精密さを競うビジネスゲームを体験してもらったり、自社の強みが柔軟な対応力にあるのなら、複雑なオーダー(注文)に応えていくようなゲームも可能でしょう。そのためには、まず「自社の強みが何か」を考え明確にし、関係者の中で共有することが重要です。そうすることで短い時間でも納得感あるインターンをつくることができます。

たとえば私たちミテモがインターンの企画から実施を支援させていただく場合であれば以下のような進め方があります。

まず関係者にヒアリングさせていただく中で、会社のコア(強み)を定義します。そのうえで、そのコア要素から仕事の疑似体験ができるワークショップを設計していきます。そして実施のための準備を進めます。実施の当日においては、ファシリテーターの代行も可能ですし、様子を観察してのフィードバックもさせていただきます。

オンラインインターンについては、ダウンロード資料に詳細を記載しておりますのでぜひ以下よりダウンロードください。

インターン向けとしてはここまでお話してきたような企画、設計、実施の支援を幅広く行っております。また、採用活動全般のコンサルティングなども行っております。いずれかにご関心ありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後に、私から一番伝えたいことが一点。それは、採用担当である皆さん自身が思う「愛情」を中心に据えて、そこから観点を広げていただきたいということです。

たとえば「学生の時の自分が自社のインターンに参加するなら、過去の自分にどんなことを伝え、経験させてあげたいか?」あるいは「自分の子どもが自組織のインターンに参加したいと言ってきたら、どういう体験を届けてあげたいか?」などを考えていただきたいです。そこまで広げて考えることで、インターンの取り組みに割くエネルギーや、思考の量がグッと増えるのではないかと思います。

今どきの学生の思考を想像してインターンを設計するというのは、私のような研修業界で仕事をしている人間にとっても難しいものです。ですので、むしろ自分を中心にして「愛する者に何を届けたいか」というスタンスで臨むほうが、インターンを設計・実施していく上で失敗しにくいと思うのです。

担当の皆様が、まず自分の愛情を中心に置いていただき、その上に戦略を組み立てていくことが大変重要です。その結果として四方好し、すなわち国家、企業、大学、学生という誰にとってもwinになるようなインターンの場を作っていっていただけると幸いです。

ダウンロード資料では、スライド資料と共によくある質問についてもお答えしています。ぜひこの機会にダウンロードください。