地方創生に取り組む企業が最初に押さえたい、地域共創事業の基本視点とは【地域創生担当者向け地域共創プロデュースセミナー第1回レポート】 - ミテモ株式会社

地方創生に取り組む企業が最初に押さえたい、地域共創事業の基本視点とは【地域創生担当者向け地域共創プロデュースセミナー第1回レポート】

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2025年5月16日、「地域共創事業プロデュースセミナー」第1回を開催しました。

本セミナーシリーズは全7回構成で、地域と協働しながら持続可能な事業を構築していくための視点やプロセスを、段階的に学ぶことを目的としています。実際に本セミナーへお申し込みいただいた皆さまを対象に事前アンケートを実施したところ、
「地域連携をビジネスとして成立させる方法がわからない」(78%)
「地域共創の進め方が分からない」(53%)
「地域課題に関する情報・データが不足している」(46%)

といった声が多く寄せられました。

地域との連携は重要と認識されながらも、「どのように進めればよいのか」「何を基盤に設計すればよいのか」が分からず、実践につながらないという現場の実態が浮き彫りになっています。
初回の本セミナーでは、こうした課題意識を共有しつつ、「民間企業が地方創生に取り組む意義」や「地域共創型事業の全体像」について、導入的な視点を提示しました。

地方創生とは「構造の転換」を目指す取り組み

現在、多くの地域では急速な人口減少と高齢化が進行しており、それに伴って交通・教育・医療など生活インフラの維持が困難になる状況が広がっています。その背景には、自治体の税収減と中央依存型の構造が長年続いてきたという実情があります。

地方創生の本質は、そうした構造的課題に向き合い、地域が地域自身の力で価値を生み出す仕組みへの転換を図ることにあります。単なるイベントや一時的な支援ではなく、地域資本と人材を活用し、持続可能な経済循環を構築していくことが求められています。

「暮らしの質」と「稼ぐ力」の両立が不可欠

地域課題は、雇用の有無や事業機会の不足といった「稼ぐ力」の課題にとどまりません。保育、交通、医療といった生活に直結するインフラやサービスが整っていなければ、人はその地域で暮らし続けることができず、企業の活動も定着しません。

したがって、地域の未来を考えるには「暮らしの質」と「稼ぐ力」の両立が不可欠です。
とくに、外貨を稼ぎながら地域内でその価値が循環する構造づくりが重要とされました。

地域共創という考え方

ミテモでは、こうした複雑な課題に対して、地域内外の多様な主体が共通のビジョンを共有し、信頼関係を築きながら価値を共に創り出していく「地域共創」というアプローチを提唱しています。

その具体的な実践の一例が、長野県塩尻市にあるシビックイノベーション拠点「スナバ」です。ここでは、地域住民・行政・企業・関係人口といった多様な立場の人々が関わり合いながら、以下のような取り組みが展開されています。

  • 地域の外から人材や資源を呼び込む共創の場づくり
  • 単発のプロジェクトではなく、複数の事業を束ねたポートフォリオ型の構造設計
  • 外貨の獲得と域内での価値循環の両立を目指す収益モデルの構築

こうした“共につくる”姿勢こそが、持続可能な関係と事業を育む土壌となります。

地域共創事業に必要な3つの視点

地域と共に事業を構想・推進していくには、以下の3つの視点が重要です。

1.共通ビジョンの形成
複数の関係者が納得し、参画の動機となるビジョンを丁寧に共創する。

2.構造的な事業設計
単独のプロジェクトで終わらせず、複数の活動が相互に補完し合いながら、継続的に展開していく構造を持たせる。

3.巻き込みと媒介の仕組み
自治体や住民だけでなく、外部企業、移住者、関係人口など多様な人々が“当事者”として関われる設計を行う。

事前アンケートでは、「社内の理解や協力が得られにくい」や、「KPI設定など効果測定が難しい」といった声も寄せられました。こうした声に対しても、今後のセミナーを通じて実践的な視点や工夫をご紹介していく予定です。第2回では、「地域の現状分析と関係構築」をテーマに取り上げ、お話しいたします。

第1回セミナー参加者の声

  • 地域共創を企業が「事業」として継続していくための考え方の整理と、事業としての評価尺度のあり方に悩んでおり、参加しました。地域とともに共通の「ビジョン」を描き、その実現のために企業と地域がそれぞれの役割を果たしながら取り組んでいく、という考え方が非常に重要だと感じました。
    (運輸業 地域共創事業部)
  • メーカーとして“地域課題をどう解決するか”という視点に偏っていたと気づかされました。 単にソリューションを提供するだけでなく、地域とともに歩む“伴走型”の関わり方も選択肢に入るのだと理解でき、大きな学びとなりました。
    (製造業 企画設計部)
  • 共創を促進するためのポイントを学ぶために参加しました。特に、現場で得られる本音の重要性を実感しました。机を囲んだワークショップよりも、実際の現場でこそ真の意見が引き出されるという点が印象に残っています。また、地域共生のKPIとして『当事者人口』という視点を得ることができ、大変貴重な学びとなりました。
    (特定非営利活動法人)

第1回セミナーのアーカイブ視聴について

本セミナーは全体概論として、地方創生の構造的背景や、企業が地域に関与する意味、共創型事業の基本的な考え方を共有する内容でした。

連続セミナーの第2回以降にご参加予定の方は、内容をよりスムーズにご理解いただくためにも、第1回のアーカイブをご視聴のうえご参加いただくことをおすすめいたします。

今後のセミナーと申込について

本セミナーレポートは、全7回シリーズの導入編となる内容です。

今後は「関係構築」「人材育成」「事業設計」など、より実践的なテーマを順番に深めてまいります。関心のある回のみの参加も可能です。ぜひご一緒に、地域との共創のこれからを考えていきましょう。

今後のテーマ一覧

  • 2回目|地域の現状分析と関係構築
    「地域の関係者との共創的な関係の作り方、協働できるビジョンの作り方」
  • 3回目|地域事業を担う人材育成・事業拡大
    「地域事業をリードするプロデューサーやコミュニティマネージャーの育成方法」
  • 4回目|地域との事業共創 その1
    「地域課題の解決と経済性を両立する事業を地域のステークホルダーと共創する方法」
  • 5回目|地域との事業共創 その2
    「産官学民連携による事業共創と二地域居住促進」
  • 6回目|地域横断連携・プラットフォーム構築
    「複数地域を横断的に支援するプラットフォーム構築」
  • 7回目|最終回
    「全6回のまとめ&ネクストアクションに向けたディスカッション」

セミナー内容や地域との取り組みに関するご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。