名古屋市伝統産業経営課題解決支援事業 事業者インタビュー 有限会社こんせい - ミテモ株式会社

名古屋市伝統産業経営課題解決支援事業 事業者インタビュー 有限会社こんせい

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名古屋市 伝統産業経営課題解決支援事業 伴走支援プログラムに参加いただいた事業者の皆さまにインタビューをしました。

事業者紹介

有限会社こんせい

伝統的工芸品「有松・鳴海絞」​の製造卸をしている夫婦二人(近藤泰仁さん・弥栄子さん)がメインの小規模事業者。

これまでは、アパレル会社向けのOEMをメインにしてきたが、昨今は絞り染め体験を精力的に提供している。年間20校ほどの小学校での体験授業の他、文化センター・生涯学習センターでの1day講座や国内外で体験イベントを多数行っている。

これからは、観光客向けの付加価値の高い心躍るワークショップを目指す。

――今回、事業に応募した理由を教えてください。

近藤弥栄子さん(以下、弥栄子さん):付加価値の高いワークショップを行いたいという思いがありましたが、どう価値の高いワークショップを実現するのかが分からなかったため、応募しました。
もともとアパレルブランドからの加工委託を請け負っていましたが、単価が上がらないことが課題でした。以前から小学生向けのワークショップを行っており、お客様の喜ぶ顔を直接見ることがうれしく、ワークショップをブラッシュアップしていきたいと考え始めました。私たち自身も、お客様に納得感のある内容を提供し、それに見合った対価をいただけるワークショップを考えたいと思うようになりました。
また、伝統産業に特化した支援であることに加え、説明会でのアドバイザーの話が魅力的だったことも、応募の決め手になりました。

――今回の事業で取り組んだ内容について教えてください。

弥栄子さん:まずは、当社の強みを見つけるため、歴史、文化、地理など調べたり、自分たちを見つめ直したりする時間を取りました。その結果、伝統を繋ぎつつ、時代に合わせて変化している会社だということが分かりました。
その中でも、当社の強みと認識したのは、社長が職人であり、かつインストラクターでもある(人に教えることもできる)ため、お客様に直接魅力を伝えられるということと、絞り染めは工程が多く、基本的には細かく分業されているが、当社だと一連の工程を体験できることです。
インスタの見せ方のアドバイス、お店の前に暖簾を作った方がよいよとか細かいアドバイスもたくさんいただきました。
ワークショップの高付加価値化という目的があったので、この事業のメインで行ったのは、「モニターツアーを開催して、観光客向けの観光タリフ(観光コンテンツの営業資料)」を作るということです。

――今回の事業の成果を教えてください。

弥栄子さん:観光タリフを検証するため、2月末にモニターツアーを2日間実施しました。
公益財団法人名古屋観光コンベンションビューローのお力添えもあり、2日間とも満席になりました。

1日目は、外国人向けの旅行会社の方など、2日目は、国内のホテルのコンシェルジュや公益財団法人名古屋観光コンベンションビューローの方にご参加いただきました。モニターツアー後にアンケートを実施し、価格帯のことなどご意見をたくさんいただけたことが一つの成果です。アンケートを踏まえてタリフを作り直し、モニターツアー参加者全員にタリフを再度送りました。

そこから、海外の旅行×学習体験を得意とする旅行会社から見積り依頼があったり、実際にワークショップを申し込んでくださったり、ホテルのコンシェルジュデスクから英語版フライヤーがあれば置きたいと問い合わせがきたりと、モニターツアー自体が営業につながっています。

近藤泰仁さん(以下、泰仁さん):自分たちが悩んでいる部分に対して、アドバイザーの古屋さんから的確で納得できる理由をもってアドバイスをいただけたことに感謝しています。

弥栄子さん:悩みがなくなったらGOするしかなくなりました!

――今後の展望についてお聞かせください。

泰仁さん:国内外の観光客からの 需要が増えているので、ワークショップの価値をさらに高めるために、いただいたアドバイスを実践していきたいです。

弥栄子さん:モニターツアーでは、作業工程に興味を持つ方が多いことが分かりました。より詳しく絞り染めの魅力を伝えるためにも、FIT(外国人の個人観光客)向けの通訳ガイドが必要だと感じており、今後はガイドの方々への営業も進めていきたいです。
当初は個人客をターゲットとしていましたが、モニターツアー後に団体客からの見積り依頼もいただき、新たな可能性を感じています。
また、この事業でつながった方々と関係を維持していくために、当社の最新情報を継続して発信していきたいです。

――最後に、今回の事業での学びや気づきを教えてください。

弥栄子さん:自分たちがありのままでいて、背伸びをしなくても価値がたくさんあると気が付くことができました。
また、期限が決まっていたことで、背中を押される形で進めることができ、観光タリフなどを着実に形にすることができたと思います。

――インタビューへのご協力ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。