ファシリテーターが語る!対話のツールにレゴ®ブロックが最適な理由 | ミテモ株式会社

ファシリテーターが語る!対話のツールにレゴ®ブロックが最適な理由

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こんにちは、ミテモの飯田です。

ミテモでは「レゴ®シリアスプレイ®」という、レゴ®ブロックをつかった対話型のワークショップを実施しております。
実際に経験された方々には、レゴ®ブロックによって演出される、楽しげで遊び心にあふれた場のデザインが好評を博している一方で、初めて知る方を中心に、

「子どもっぽい印象で、遊んでいるようにみえる」

「話せばわかることに、わざわざレゴ®ブロックを使う必要があるのか」

というご意見も多くいただきます。

また「なぜレゴ®ブロックなの?」の延長で、

「粘土ではダメなの?」

「お絵描きではダメなの?」

というコメントもよく聞くものです。

そこで今回は「対話のツールとしてレゴ®ブロックを用いる意義」について、私のファシリテーターとしての経験を踏まえて、お伝えしたいと思います。

言語だけでは本当の意図は伝わらない?

私たちはコミュニケーションを、主に「言語」を介して行っています。この言語を介したコミュニケーションをすこし細かく分析してみましょう。
たとえば、発話者が、聞き手になにかを伝えている場合、以下のような経路をたどります。

発話者には「伝えたい意図(A)」があり、それをまずは「言語(A’)」に変換します。それを聞き手なりに理解をした内容が、「聞き手の理解 (A”)」になるというわけです。

私たちは、暗黙のうちに、〔A=A’=A”〕という等式が成立すると思い込んでしまいますが、それは錯覚にすぎません。本人が意味を正確に表現できるとは限らない(A≠A’)し、その意図を聞き手が正確に読み取れるとも限りません(A’≠A”)。

たとえば、私の1歳の娘は、家にいるときに「クックー」という声を発するときがあります。親である私は、「あ、靴を履きたい、つまり、外にでかけて体を動かして遊びたいということかな」という意味の読取りを行います。この解釈が正しいかどうかは本人にしかわからないわけですが、いずれにせよ、言葉だけですべての意味が完全に表現されることは決してなく、そこには意味を込める話者の過程と、それを読み取ろうとする聞き手の過程が必要なのです。

別の例をあげましょう。電話が鳴り響いている職場で、上司が部下に対して、ひとこと「電話をとって!」と声をかけたとします。これに込められている意味は自明のように一見すると思えますが、「今忙しくて手が離せない」かもしれないし、「もっと気をきかせて仕事をしろ」または「着信音がうるさいから静かにしてほしい」かもしれません。

こう考えてみると、コミュニケーションは一見するほど簡単なものではないことがわかります。特に「聞く」という営みには、単にその言葉が字義上ないし文法上なにを指しているかにとどまらない、「意味の読み取り」を行う必要があるのです。

このように、言語を介した意思の疎通を掘り下げて見ると、言語というものは意味をやりとりするための完全とはいえない方法のひとつにすぎないということがわかります。言語が一般的に表象する字義や文法は、発話者がこめた意味を、聞き手が読み取るための記号になっていますが、それは手がかりに過ぎないということです。

レゴ®ブロックを通して潜在意識にアクセスする

話をレゴ®ブロックに戻しましょう。
レゴ®シリアスプレイ®では、言語化に先立って、まず本人がレゴ®ブロックの造形として、手をつかって意味を表現します。レゴ®ブロックの作品には、色や形や大きさ、質感、位置関係などの様々な要素があり、それらの要素に本人は意味を込めることができます。

作った作品について、まずは本人が作品に込めた意味を語ります。そしてさらに、周囲の人たちやファシリテーターが作品に対して質問を投げかけ、本人が答えることで、意味を深く掘り下げていきます。ここでは、作品に込められた意味を、発話者・聞き手が協力して、ともに掘り下げるという構造があります。

レゴ®ブロックを使って造形した、言語にならない意味を表象する作品がまずあり、それに対して発話者と聞き手がともに協力して、言語による意味づけを与えることで、言語としての意味を抽出します。最終的に言語で意味をやりとりすることは、通常のコミュニケーションと変わりありませんが、その一段階前に、視覚と触覚のある作品を介して、発話者と聞き手が意味を分かち合うことができます。

またこの模式図では、発話者と作品の間に、「手」という要素をあえて記載しました。言語を操るときには言語に関する脳の中枢が稼働しているのと同じように、手と脳も多数の神経網で繋がっており、手が作品をつくる工程では、言語とはまた違った形での脳の働きがあります。これが、言語だけのコミュニケーションでは抽出できないような潜在意識へのアクセスを可能にしています。

ここまで読み進めていただくと、レゴ®ブロックという素材に手を加えて作品をつくるというもってまわったようなプロセスをわざわざやる意義がご理解いただけると思います。レゴ®シリアスプレイ®の対話のテーマとしては、不確かな未来に関することや、情動・感情に関することなど、なかなか言葉にすることが難しい領域が適していることも、ご理解いただけるでしょう。

私がレゴ®ブロックにこだわる理由

最後に「レゴ®ブロック以外ではダメ?」という質問に簡単にお答えします。

手で作品をつくるというときに、たとえば、絵や粘土でも、同じようなプロセスをつくることは可能なはずです。ただし、素材としての扱いやすさを考えると、レゴ®ブロックにまさるものは、現時点ではありません。

たとえば、絵や粘土を利用した場合、本人の創作スキルがそれなりに求められそうです。私自身、こどものときの美術の成績はいつもひどいものだったので、自分が描いた絵を他人の前で披露することの技術的・心理的なハードルは相当にあります。全員が安心して前向きに参加できる心理的安全を確保するというのは、ワークショップの設計では欠かせない基本です。

私たちは無意識的にも、自分自身の経験から学ぶより、周囲の行動に倣った方がずっと効率的だということを知っているのです。周りから影響を受けるということは、自分も模範になるような行動を示せば、周囲におのずと影響を及ぼしていくことにもなります。つまり「背中を見せる」ことが大切だ、というわけですね。

またレゴ®ブロックは、つくって壊してまたつくってという試行錯誤をいくらでもできること、三次元の造形ができること、自分の作品を分解して他人の作品と統合するといった操作すら可能なことなど、素材として優れた点が多数あります。

以上が、レゴ®ブロックでないと、と私がこだわる理由です。

いかがでしたでしょうか。本稿をご覧になって、実際に手にとって体験してみたいという方に向けて、無料で本ワークショップを体験できる機会をご提供しています。よろしければ、ぜひこの機会をご活用ください。

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