会社をスケールしながらチームの一体感を高める~チームビルディングと交流ワークショップ~ | ミテモ株式会社

会社をスケールしながらチームの一体感を高める~チームビルディングと交流ワークショップ~

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ミテモではさまざまな企業や団体の組織づくりやチームビルディングの取り組みをサポートしている。

今回は、ケイスリー株式会社様(以下、ケイスリー)に提供した、チームビルディングと交流ワークショップへのケイスリー側の狙いや感想、ワークショップ後の展望などを、インタビューを通じて紹介する。

ケーススタディ概要

企業名

ケイスリー株式会社

ケース

全社員向け・チームビルディングと交流ワークショップ

目的

・チームの一体感を高めたい。
・盛り上がって皆で楽しみたい。
・普段、画面越しで(時には音声のみで)相手とうまくコミュニケーションをとるには、どのようなことが大切なのか、ということについて示唆が得られること。
・社員全員で参加するので、この場もコミュニケーションの機会として、遊びの要素も入れて楽しくできれば。

ワークの流れ

パートA:自由にレゴ作品を作りながら、ワークショップに慣れつつ参加者同士の交流を深める
パートB:「私の仕事の現在」をレゴで表現し、チームの他のメンバーに説明する
パートC:「私の仕事の最高の未来」をレゴで表現し、チームの他のメンバーに説明する
パートD:「現在」と「最高の未来」のあいだにあるものを探求する

ワークショップ参加者

全社員(14名)

所要時間

3.5時間

上段左からケイスリー株式会社:代表取締役社長 CEO 幸地 正樹さん、取締役 CKO 落合 千華さん
中段左からケイスリー株式会社:鬼澤 綾さん、内田 晴那さん

一体感を醸成する上で感じた「リモートワーク」という壁

井上:早速インタビューを始めさせていただきます。まずは、ケイスリーさんがどんな会社かお教えいただけますでしょうか?

落合さん:「ケイスリーってどういう会社ですか?」と訊かれたら、私は「多様なメンバーがいて面白い会社です」って答えています。事業内容は、事業/戦略コンサルと言うよりも、「社会性とは何なのか?公益性とは何なのか?」を問いかけながら事業や組織の支援をしている形です。また、プロダクトも単純にテクノロジーで効率化を目指そうというところではなくて、クライアントとなる行政が市民に対してより良い選択肢を提示していくためにどうすべきかということをご提案させて頂いています。

井上:私はワークショップも見学させていただいたんですが、落合さんがおっしゃる通り皆さん個性的で楽しそうに仕事をしている方ばかりだなぁという印象を受けました。そんなケイスリーさんが今回ミテモにワークショップをご依頼くださった背景についてお教えいただけますか?

幸地さん:会社のメンバーが6名くらいから15名に増えて、1年程前から二つの部門に分かれるようになりました。部門を兼務している人もいますが、中にはお互いが何をしているか、何を考えているか分からないと感じる人も出てくるようになったんです。このことから、「全体の一体感をどうやって維持していくのか」ということを大きな課題として認識するようになりました。もともとリモートワークができる環境が整っていてオフィスに出勤する人が数人という状況から、新型コロナウイルスの影響によって完全にリモートワークになり、さらに対面では誰も会わないような状況へと変わってきました。今まで課題と感じていた「全体の一体感」について、より深刻な状況になってしまうのではないかと危惧するようになりました。
また今までは半年に一回、軽井沢や沖縄に合宿に行ったりしていたんですが、新型コロナウイルスの影響で最近はそういった機会をつくれなくなってしまって。なので今回のワークショップは、終日時間をとって(社員の知り合いのシェフに発送を依頼して)みんなで同じランチを食べて、多様な議論をしたいなと考えて設けた時間でした。

飯田:業務によっては毎日話したりもするのかなと思っていましたが、みんなで集まるのはかなり久しぶりだったんですね。

鬼澤さん:30分から1時間くらいの内容のチームビルディングを目的としたワークは自分たちでやったことはありますが、まとまった時間をとって集まることはしていませんでした。また、そのワークをやった成果がよく分かりにくく、僕と内田さんが計画するので僕らは入れないっていうのがちょっと残念だなって思っていました。

待井:今まで自社内で企画から実施まで何度かやってみたということでしたが、運営の人たちが参加できないなどの難しさもあったと思います。それ以外に何か大変だったことはありましたか?外部に依頼してみようと思ったきっかけがあればお聞かせください。

内田さん:そもそも「どんな内容のワークがいいのか」や「どういうものならオンラインでできるのか」ということをあまり知らなかったので、探す時点でハードルが高いなと感じていました。さらに、どういった流れにするか考えたりリハーサルも行ったりなど、準備をするにあたっても大変だなと感じていました。

鬼澤さん:お絵描きゲームや、ストーリー作り、コンセンサスゲームなどをやってきて、実行は出来ますが、言い方だったり、時間配分だったり、チーム分けだったり…意識するポイントなどはやっぱりわからなくて。いろいろやってみたけれど、やったことが本当にチームビルディングに繋がっていたのかは疑問を持っていました。

井上:オンラインワークショップに対しての不安はありましたか?

落合さん:不安はなかったんですけど、ワークショップ後にオフラインだともっと充実したワークが出来るときいてオフラインの方がいいなあって思いました(笑)元々仕事上でもオンラインで一緒に言語化したりする作業があるので、難しさは分かりつつもオンラインで作業する不安はメンバーみんなあまりなかったんじゃないかなと思いますね。

待井:もともとリモートワークに慣れていらっしゃる方々なので、オンライン環境に対する苦手意識はなさそうだったんですね。(ファシリテーターの)飯田さんは実施されるにあたって「実はここが気になっていた」点などありますか?

飯田:ワークショップ前の気持ちは不安とワクワクが半々でした。不安な気持ちとしては、新型コロナウイルスの流行から半年ほどしかたっていないので、そもそもオンラインでレゴ®シリアスプレイ®を実施した実績が少なく、オンラインの場でどこまでできるのか不安な気持ちはありました。ワクワクは、「その中でどこまでできるか?」ということにチャレンジできることです。そして、実際にワークショップをおこなって「意外にいけるな」と。いわゆる「レゴ®シリアスプレイ®としての場」がちゃんと作れました。小さなハプニング、例えば作品を見せるために持ち上げたらブロックが崩れてしまったり、作品がバーチャル背景と被ってしまってよく見えなかったりなどはいくつかありますが、制約された条件の中でもできていたと思います。

待井:ありがとうございます。反対に、オンラインならではの体験や良かったことはありますか?

飯田:物理的な場所の制約を受けずに実施できたことですね。これは間違いなく価値があることだったと思います。あとは皆さんご自宅からご参加いただいたので、わりと集中しやすい環境だったんじゃないかなと思います。リアルのワークショップの場だと他の人の作品が気になったりして、気が散りやすい面もあるんですね。それに、他の人の作品が良さそうに見えてしまって、「自分の作品がつまらないように感じる」というような発言が起こりやすいんですけど、今回は手元に自分の作品しかないので、そういう意味では没頭しやすい環境だったと思います。

自分の思いをレゴ®ブロックに乗せて語る

井上:このワークショップの中で記憶に残っている印象的なシーンを教えていただけますか?

幸地さん:将来のイメージを具体化するワークで感じたことですが、その人が考えていることがレゴ®ブロックで作った作品として具体化されていて、目で見ながら説明を聞くと分かりやすいんだなと感じました。また、作品の中で理由もなく作っていた部分もありましたが、質問された際にとっさに答えたことで「自分はこういう理由を込めるんだな」と実感して、面白い経験でした。

井上:実際にワークショップ中にも「意味もなく積み上げたブロックにこんな意味を自分は引き出すんだ」とおっしゃっていたしましたもんね。ほかの皆さんはいかがですか?

鬼澤さん:普段僕は考えてから作業に移すことが多いのですが、このワークは考えずに手の赴くままに作るので面白かったです。作品を作る際に意味をこめて積み上げていくというよりも、「なんかいいな」という感覚で積み上げていって、他の人から質問を受けた際に意味を考えるのが普段と違っていて新しい経験でした。

内田さん:私はレゴ®ブロックを久々に触って、頭のいつもと違う所を使って非日常的だと感じました。ワークの中で質問を受けて「そういえばこれ何だっけ?」とか「こういうとこが気になるんだ」って自分自身の新しい発見があったりしました。また、他の人の作品を見て「こうかな?」って思って質問したら全然違ったりして、みんなについても新しい発見がたくさんあって面白かったです。

落合さん:実は最後のワークじゃなく最初に練習で作ったタワーが一番印象に残っています(笑)内田さんとは結構似ていたり、他の人とも重なるポイントがあって嬉しかったり。プロペラのパーツが一緒だったんですけど、その後そのパーツを使う人が増えたりしたんですね。普通だったらアイデアを真似することは憚られると思うんですけど、真似することが逆に楽しかったです。

井上:飯田さんは印象的なシーンはありましたか?

飯田:私が受けた印象としては、みなさんすごく仲がいいなと感じましたね。いつもワークショップのときは組織の外の人間として俯瞰で見ていて、その組織の雰囲気が分かるんです。リトマス試験紙みたいだなって思うんですけど。今回はオンラインでもあるし、どんなリトマス試験紙になるか少し不安で「わかんないな」と思っていたんですけど、温かい感じの場だったなと印象としては持ちましたね。Zoomで話をすると間が空いたり、声が被ってしまったりして、スムーズに行かないことが多いんです。対面のワークショップでもチームによっては変な間ができたりするんですね。だけど、レゴ®ブロックが力を発揮したか定かではないですが、ポンポン話が弾んで切れ目なくコミュニケーションが行われていて、対話がスムーズだなと思いました。それが印象的でしたね。

井上:わたしもワークショップに同席させていただいて、みなさんの対話力の高さはすごく感じましたね。普段からしっかり考えや思いを伝えているのが、さらにレゴ®ブロックを使うことによって対話が深まっている感じがしました。

介入と静観のバランスを図ったファシリテーション

井上:今回ミテモに依頼して良かったなと思うところを教えていただけますか?

幸地さん:ファシリテーターの存在を感じさせない雰囲気づくりが上手だなと感じました。通常ファシリテーターがその場に介入してリードしていくことがよくありますが、実はファシリテーターが居なくても大丈夫なようにその場の雰囲気を作っていく役割のほうが本質だと思っていて、それが出来ているのがシンプルにすごいなと感じました。私たちが内製してレゴ®ブロックでワークショップを行ったとしても、そういう部分はなかなか出来ないなと思いましたね。

待井:ありがとうございます。他の皆さんはいかがですか?今おっしゃっていただいたような「内製化した場合ここは出来なかっただろうな」と思う瞬間や、「こういう活かし方があるんだ」「こういう話の運び方があったんだ」みたいなことを感じた瞬間はありましたか?

落合さん:私はレゴ®シリアスプレイ®の設計がすごいなと感じました。作品を真似しても「楽しいね」って思えるとか、他の人から褒められるとか、新しい発見をすることとか。これらは他のワークショップではなかなか体験したことがなくて。絵を描いたり音楽を使うワークショップでは、上手下手で判断する癖がついていたりして、なかなか今回のようにはならないんじゃないかと思いましたね。全員が同じ数のレゴ®ブロックに真剣に向き合って、あの順番でワークをやったということそのものが、面白かったなと後からじわじわ思います。楽しみながら作品を作っているうちに、みんな色々な世界観を表現していて、素晴らしい設計のワークだなと思いましたね。

待井:私もやったことがあるんですけど、パーツが少ないように見えていろんな活かし方があるので、おっしゃっていることに大変共感しました。ありがとうございます。飯田さんはどうですか?ケイスリーさんだから出来たと思える瞬間はありましたか?

飯田:まずリアルとオンラインの違いという点で、オンラインは参加している人のバイブスを感じ取りにくいです。バイブスというのは醸し出している空気感と言うんでしょうか。例えば、伝えたいことが伝わっていないときは、伝わっていないっていう空気感があったり、「?」みたいな表情や仕草が出たりします。対面で行う時は、そういう生体反応のようなものを数メートルの距離で感じ取って、ワークの進行を変えたりそのまま続行したりするんですね。だけど、オンラインでは生体反応を感じるのが難しく、「これでいいのかな?」と不安な気持ちになりながら進行することが多いです。でも、今回助けられたと思うのは、Zoomだから生体反応は減るんですけど、ケイスリーの皆さんから表情や声色などで反応を貰えている感じがあって、そこまで不安にならず進行できました。

待井:反対に、内田さんや鬼澤さんは、ミテモだからこそできたと思えた瞬間はありましたか?

鬼澤さん:4つのグループに分かれたときに飯田さんと井上さんがそれぞれ回ってくださって、「この色はどんな意味がありますか?」のような質問の観点を挙げていただいたので、自分が質問する上で安心感がありました。特にブレイクアウトルームで質問する時は「これでいいのかな?」と思ったりすることもありましたが、サポートの井上さんが「その質問いいですね」という顔で頷いてくださってそれは話しやすかったなと印象に残っています。ただ見ているだけではなく、その場を進めるようなアシストは助かりました。

内田さん:事前にワークの流れは聞いていたんですけど、実際やってみると自然な流れで、みんなも流れにのってできていて、内製でレゴ®シリアスプレイ®をやったら上手くいかなかったと思うのでお願いしてよかったです。

レゴ®シリアスプレイ®の可能性

井上:レゴ®シリアスプレイ®を気に入っていただいて、「また何かやりたいな」とおっしゃっていただいたと思いますが、今後ミテモに依頼されたいテーマはありますか?

落合さん:今回の「現在と最高の未来」のワークを、個人のものとしてではなく組織としてやれるといいなと思います。今社内で「これからケイスリーをどういう会社にしていきたいか」「ビジョンやミッションを決めて具体的にどういう事業をやっていこうか」のような議論をして一生懸命整理しているんですね。そこで外部のファシリテーターの方に入ってもらって、ツールやフレームワークを使って議論が出来たらより深みが増すんじゃないかと思うのでやってみたいです。

飯田:ワークショップの最後に「もし対面だったらこんなことが出来ます」って話を少しだけしましたが、改めて話すと、オフラインの場合には個人で作品を作ってから合体させるっていうことができるんですね。一人ひとりのこだわり抜いた理想の未来を1回作ってから、一番大事な部分だけを取り出して全員で合体するんです。関係性や時間軸などに沿ってそれぞれのブロックを配置して、全員が納得するまで対話をしながら一つの作品を作っていきます。結構時間を使うんですけど、その時間が豊かな時間で自分の拘りみたいなことを発露できるし、それを聞き合えることでお互いに考えていることが深く掘り下げられるんですね。これはさすがにオンラインではできないので、皆さんで集まれるようになった時には是非できたらいいなと。

井上:では最後に、今回のワークショップを5段階評価で評価するといくつだったか教えてください。

幸地さん:4.7くらいで。チームビルディングって意味では、それぞれ考えていることが共有できて良かったです。ただ、時間の関係で最後の共有の時間が2つのグループになってしまったことがもったいなかったなと感じました。ですので、次の月次会議で最後の作品を共有する時間を設けることにしました。

落合さん:4.8ぐらいです。すごく満足しました。そもそもワークショップの実施が急に決まったというのもあって「何があるんだろう?」というよく分からない感じでいたのですが、結果的にはとても面白かったですし「こんな可能性があるんだ!」と感じられました。ですので、ほぼ満点です。ただ、時間の兼ね合いもあって話す時間が足りなかった感じがしました。また機会があったら違うテーマでしっかり時間をとってチャレンジしたいなと思いました。

井上:ありがとうございます。他のお二人はいかがですか?

内田さん:私は、限りなく5に近い4.9くらいです。本当にやって良かったなって思いました。残りの0.1は、やっぱり、みんなの作品を合体させる共有モデルを作りたかったので。

鬼澤さん:0.1刻みで増えてきているので、では僕は5.0で(笑)落合さんや幸地さんが言っていたところは想定内だったのでマイナスに感じることはなかったです。むしろご相談するのが遅くなってしまったのに、お話をした当日にレゴ®ブロックを発送して頂いたり、短期間でカリキュラムを作ってくださったり、対応してくださったので。当日も、レゴ®ブロックで遊んだことがある人も無い人も楽しんでいて、普段とは違う視点で対話が出来たので良かったです。

井上:ありがとうございます。皆さんから高評価を頂けてとてもありがたい気持ちです。これでインタビューは終了となります。どうもありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

ファシリテーター 飯田からひとこと

飯田 一弘

LEGO®SERIOUS PLAY®メソッド
教材活用トレーニング修了認定ファシリテーター(2017年取得)

オフィスワークからリモートワークへ移行して、顔の見えるコミュニケーションとちょっとした雑談の機会が少なくなり、チームでの仕事に課題や物足りなさを感じるケースは、少しずつ増えているようです。もちろん、日常の仕事のなかで様々な工夫をしながら対処していくことが基本ではありますが、今回のケイスリー様のように、リモートの対話と交流の場を開催するのも、ひとつの有効な打ち手なのではないでしょうか。リモート方式のレゴ®シリアスプレイ®は私にとってもおおきなチャレンジでしたが、レゴブロックという同じ素材に触れるひとときは、互いの距離をぐっと縮める力があったようで、大きな手応えと可能性を感じています。

【企業紹介】

  • ケイスリー株式会社(K-three Inc.)
  • 代表取締役社長CEO 幸地 正樹
  • Webサイト:https://www.k-three.org/